佐賀県のちょっと変わったスイーツを紹介する「佐賀県変わり種スイーツ巡り」シリーズ。今回は、明治時代から続く老舗の新たなチャレンジ!「振って楽しい!食べて美味しい!」そんな和スイーツを紹介します。
創業明治15年。陶板に残されていた歴史
今回の取材先は、佐賀市大和町にある「白玉饅頭 元祖吉野屋」です。明治15年に初代の店主吉村清兵衛さんが、避暑地としてにぎわっていた川上峡の名物として、白玉饅頭を売り出したのが始まりだそうです。
知人から譲り受けたという店内に飾ってある伊万里焼の陶板には、大正から昭和初期の頃の川上峡の様子が描かれています。その橋の脇に赤ちょうちんの下がったお店があり、注目してみると・・・
そこには、しっかりと「白玉万十」の文字が記されています。吉野屋がここで白玉饅頭を売っていた証が現代にもこんな形で残されているというのが風情ですね。
創業から135年の月日が経ち、現在は6代目のご主人吉村正則さんが店主となり、奥様と数人のパートの方々とお店を切り盛りしています。
創業当時からの製法を守り続け、保存料や添加物は一切使っていない白玉饅頭はその日のうちに食べないといけません。しかし、お客様からの「宅急便で送ってほしい」という声に応えるために、吉野屋では冷凍の白玉饅頭も販売しています。チャレンジ精神旺盛な6代目のご主人と奥様、従業員の皆さんは日夜白玉饅頭の新たな商品開発にも勤しんでいます。
歴史に甘んじない6代目のチャレンジ。渾身の変わり種スイーツ!
そんな吉野屋から今回紹介する変わり種スイーツがこちら。その名も「ふりふり白玉饅頭」です!
白玉饅頭をふる!?伝統的なお店でまさかの出会いですが、一体なぜこれは生まれたのか?
元々、おかみさんの子どもが白玉饅頭にきなこをまぶすとバクバクとたくさん食べていたそうです。それをみて商品化を考え、高速道路が近い立地であることから、ドライブ中に車で食べることができる持ち帰り用にしよう!と。しかし、きなこは先にかけてしまうと、白玉が固くなってしまい味を損ねてしまう。
そんな悩みを抱えていた時に、御年70過ぎの従業員の方が一言。
「ポテトのように振ったらどがんね?」
なるほどこれはイイ!そういうことでこの「ふりふり白玉饅頭」が完成したそうです。
というわけで、いざ!ふりふりシェイクを始めてみました。かなり豪快に振っても大丈夫です。そして、みるみるうちに白玉にきなこが絡んでいきます。
完成したきなこがこちら。
しっかりと見事全面にきなこがついています。パクっと食べてみると、きなこの甘みが口の中に広がり、白玉饅頭との相性抜群。これは子どもが好きなはずです。3個じゃ物足りないぐらい。
ゴマがこちら。ゴマは風味が強く、あんこの甘さに大人の雰囲気をプラスしてくれて、あっついお茶を飲みたくなります。ちなみに、きなこもゴマも普通にかけたり、絡めたりするより、ふりふりの方が綺麗にまんべんなくまぶされるそうです。おばあちゃんの知恵袋が生んだ大発明です。ちなみにこのふりふりは、注文を受けてからカップに白玉饅頭を入れるので、他のお店には卸せず、この吉野屋の店舗でしか買えないレアものです。
オシャレなスペースでリラックスできる和カフェブース
陽の光が差し込む1階スペース。吉野屋さんでは和カフェも営んでおり、店内でお茶を飲んだり、スイーツを食べることもできます。
2階は座敷スペース。廃校になった小学校から貰ってきた机が可愛い。
和カフェのメニューも実は変わり種スイーツが目白押し。ココナッツミルクのぜんざいやブルーベリーと白玉のパフェなどあまり馴染みのないものがあります。夏には季節限定の変わり種パフェもあるらしいので、ぜひまた来てみたいと思います。
まとめ
この「ふりふり白玉饅頭」は、3個入りです。
「そんなちょっとしか食べられないのか」と思ったあなた。
ご安心を。
何度か試した結果、どんなに上手く絡めても結構きなこもゴマも余ります!
ですので、ノーマルの白玉饅頭も買っておいて、「替え玉」もお楽しみください。白玉なだけに・・・
店舗情報
白玉饅頭 元祖吉野屋
営業時間:8:00~17:00
店休日:第2・第4水曜日・元旦
住所:佐賀県佐賀市大和町梅野173
電話:0952-62-0235
FAX:0952-62-0084
ホームページ:http://yoshinoya-net.com/
Facebook:https://www.facebook.com/gansoyoshinoya/
EDITORS SAGA編集部 原田光