2014年「地域仕掛け人市」からチラシを何枚か持ち帰った恵さんは、享平さんにそれらを見せた。
25~26地域の募集の中にはとても魅力的に感じるものがいくつもあったという。
しかし、偶然にも二人の目をひいたのは同じ佐賀の山間地域のチラシだった。
恵さんはかねてより望んでいた山の仕事。
移住には後ろ向きだった享平さんは、自分が仕掛け人という可能性に魅力を感じたという。
こうして運命の糸に手繰り寄せられるように二人は「地域おこし協力隊」として2014年9月佐賀へ移住、その2ヶ月後の11月22日(いい夫婦の日)晴れて入籍し二人は夫婦となった。
その後享平さんは退職し、現在は自ら持続可能な地域づくりを目指すNPOを立ち上げ、過疎化が進んでいる三瀬のための活動を始めている。
一方の恵さんは、今年の8月に地域おこし協力隊を退職、現在は充電中だ。
恵さんは言う。
「佐賀に来て3年、得たものはこの地域での仲間。信頼もして頂いたと感じているしそれは本当に幸せなことでした。そしてこれからは自分のやり方で目標とする成果に向かっていきたい。また、それだけでなく生活がおろそかになっていたので、主婦もしっかりやっていきたいと思っています。」
そんな門脇家に筆者が感じたことがある。
とにかく自分の考えをしっかり相手に伝え、それをお互いに尊重しながら二人の家族としての方針を作っているということだ。
それは移住という全く新しい土地で、新しい生活を作り上げるという生活を経験をした二人にとって必然だったのかもしれない。
結婚から間もなく丸3年。
仕事と暮らしが混ざり合っているこの土地で、自由を楽しみながら二人の真の移住生活はこれから始まる。