佐賀平野の秋の風物詩といえば、言わずと知れた佐賀インターナショナルバルーンフェスタ。11月2日から6日までの4日間開催され、3年ぶりの有観客ともあり、約85万人の来場者が訪れたそうです。
そんな晩秋の佐賀平野、青空を飛ぶバルーンに癒される方も多いでしょう。そのバルーンフェスタと同時にひっそりと(?)秋を彩る有明海沿岸のスポットを紹介します。
田んぼに現れたロールケーキ? 稲刈り後の「稲わらロール」
30年ほど前、初めて北海道を旅した際に目にした、ロール状にまとめられた牧草を見たときには心が躍りました。
佐賀平野では、以前は稲や麦の刈り取り後のわらはそのまま野焼きされることが多かったのですが、今は野焼きは禁止されていて、わらをロール状にして飼料などに利用することが多くなってきたようです。
有明海沿岸の川副町や東与賀町でも、最近は田んぼに突然、ロールケーキのような稲わらが整然と並んでいたり、あちらこちらを向いてぽつぽつと点在する様子を見ることができ、どこか懐かしく心が癒される光景となっています。
海辺の紅葉。東よか干潟に咲く「シチメンソウ」
川副町の西隣の町、東与賀町にある『干潟よか公園』は、隣接する『東よかビジターセンターひがさす』に展望塔が整備されていて、ラムサール条約にも登録されている「東よか干潟」、有明海の対岸にある「雲仙」、「多良岳」などが望めます。
そして、この干潟はシチメンソウ(満潮時に潮をかぶり干潮時には干潟になる環境で生育する貴重な「塩生植物」)の群生地となっており、毎年バルーンが飛ぶこの季節に紅葉します。
飛行機の離着陸を望める川副町の『佐賀空港コスモス園』
有明海沿岸、海苔養殖の盛んな川副町に、佐賀空港花園支援会と九州佐賀国際空港に花を咲かそう実行委員会との共同企画によって整備された、佐賀空港コスモス園があります。
ここは九州佐賀国際空港の東側、滑走路にほど近い位置にあたり、コスモス園の直上を飛行機が離着陸しますので、航空ファンにも人気の高いスポットです。
コスモスの色とりどりの花に加えて、素朴な白い花を咲かせる「そば」も植えられていて、きれいなグラデーションを見せています。
さいごに
佐賀市中心部から車で20分程度で行ける有明海沿岸の川副町と東与賀町の秋の光景。
どこか日本の原風景を思わせるような田んぼとシチメンソウ、コスモスなど、この季節ならではの美しい植物が楽しめます。
人の多いイベントよりもゆっくりと自然を満喫したい方は有明海沿岸をドライブしてみてはいかがでしょう。シチメンソウ、コスモスとも10月下旬から11月上旬が見頃です。