こんにちは、編集部のうっしーです。
暑い日が続いていますね。職場の周辺には木々が豊かに生い茂っているため、飛び立つ蝉に怯えながら徒歩通勤しております。もしもこめかみにでも直撃されたら......と憂いていると、東京オフィスで勤務する先輩からこの猛暑を凌ぐほどの熱量である情報が寄せられました。
そのテーマとはズバリ、"よさこいーYOSAKOIー"。
あるオンラインミーティングでのこと。
上甲さん
@横浜-
牛島さん、EDITORS SAGA担当してますよね?私、佐賀には注目のよさこいチームがありまして、ぜひその人のことを取り上げてほしいんです!
牛島@佐賀
-
え?よ、よさこいですか......?
なぜよさこいの話が始まったのか疑問に思いつつでしたが、聞けばなんとその先輩は
"よさこい発祥の地・高知県をふるさとに持ち、
現在の居住地・横浜でもよさこいチームに所属し、
今も様々な祭り(イベント)に出場している、
生粋の現役よさこいプレイヤー"
であることが判明!
牛島@佐賀
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初耳でした...!私はこれまでよさこいというものに触れる機会がなかったのですが、どんなところが魅力なのでしょうか...?
上甲さん
@横浜-
語ります、何時間でも語らせていただきます!
長くなりそうなので後日取材という形でお話を聞かせてもらいました。
目次
1.よさこいの魅力を知ってほしい。上甲さんのプロフィール
それではご紹介します。
EWM JAPAN所属ディレクター、a.k.a 高知よさこいの申し子、上甲(じょうこう)さんです!
上甲さん
@横浜-
申し子はやめてください。関係者から怒られそうなんで。ただ私の"よさこい愛"だけは負ける気がしません。お任せください!!!
- 上甲まさみ、横浜生まれ、横浜育ち。
- 幼少期から父親の出身地である高知県で「よさこい祭り」を見るのが夏休みの恒例行事。いつか自分もよさこい祭に出て踊りたいと思うようになる。
- 学生時代に、東京を中心に各地で活動しているよさこいチーム「ぞっこん町田 '98」に所属。今年もすでにたくさんの祭り(イベント)に参加予定。
▼パレードの様子(2018年)
牛島@佐賀
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想像以上に本格的でした。恐れ入りました。
上甲さん
@横浜-
WEBの仕事にはまったく関連しないので、話す機会もなかったですしね(笑)。趣味のひとつとして10年以上よさこいを踊っております。
仕事とはまるで違う先輩の一面に驚き、だんだん私も高揚してきました...!
よさこいの魅力とはどういったところなのでしょうか。掘り進めてみたいと思います。
2.よさこいのルーツとは?「よさこい」と「YOSAKOIソーラン」の違い
このようなスタイルで取材しております
上甲さん
@横浜-
まず牛島さんは、よさこいと聞いて何を思い浮かべますか?
牛島@佐賀
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確か学生時代に体育祭で「ソーラン節」をやったような記憶があるんですが、あれとは違うんですかね?どっこいしょーどっこいしょー!ってやつです。
上甲さん
@横浜-
うーん、惜しい!やっぱり「それだけ」になりますよね?これは......長丁場になりそうです。
牛島@佐賀
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よろしくお願いします......!
上甲さん
@横浜-
牛島さんがおっしゃっているのは「YOSAKOIソーラン」といって、高知県の「よさこい祭り」を見た北海道大学の学生さんが感銘を受け、北海道でもやろう!と1992年にスタートさせたお祭りなんです。高知のよさこいをルーツに、北海道のソーラン節を融合させて「YOSAKOIソーラン」となったと言われています。
YOSAKOIソーラン祭り、演舞
上甲さん
@横浜-
そして、その元となっている高知県の「よさこい祭り」は、"高知に活気をもたらす新しい祭りをつくろう!"と、1954年に高知商工会議所の有志メンバーの提言からはじまったものなんです。徳島の阿波おどり、愛媛の新居浜太鼓祭りと並ぶ、四国三大祭りの一つとなっています。
よさこい祭り、パレード
牛島@佐賀
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高知県の「よさこい」と、北海道の「YOSAKOIソーラン」、それぞれあるとは知りませんでした。2つの違いってなんですか?
それからよさこいについて事細かに分かりやすく解説してくれた上甲さん。1時間以上も熱く語っていただいた情報を、心苦しくも要約しちゃいますと
【共通】
- 鳴子を持って踊ること
- 音楽の1フレーズに指定の地元の民謡を入れること
【違い】
◎よさこい祭り...
- 「よさこい鳴子踊り(よさこい節)」のフレーズを楽曲に組み込む。
- 地方車という音響機材を積んだ音楽を鳴らす車を先頭に、商店街や路面を練り歩きながら踊るパレードスタイルが中心。
- 鳴子を打ち鳴らしながら前進して踊る。
◎YOSAKOIソーラン祭り...
- 「ソーラン節」を楽曲に組み込む。
- ステージなど固定された場所で踊るショースタイル。
- 鳴子に限らず傘・扇子・旗などをメインに据えた演出をする。
といった感じでした。
手に持っているのが「鳴子」です
上甲さん
@横浜-
全国各地で開催されるよさこいの祭やイベントを見ていると、一概には言えないですが九州地方は音楽や演出、出演するイベントの傾向から、「YOSAKOIソーラン」をルーツにしたチームが多い印象ですね。
牛島@佐賀
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そうなんですね。というか、上甲さんは全国各地のよさこいを見ているんですか...?
上甲さん
@横浜-
はい、Youtubeでチェックしています。
仕事だけでなくプライベートでも勉強熱心な先輩に脱帽です。
3.よさこいの魅力!3つのポイント
自身もよさこいの踊り手でありながら、その起源や他県のよさこい事情にも知見が深い上甲さん。好きなものを語るときのキラキラした感じが、オンラインでつないだ画面からも伝わってきます。(趣味が酒の自分を恥いるばかりです。)
そんな上甲さんに、よさこいの魅力を3つ挙げてもらいました。
1)各チームによって異なる踊り・パフォーマンスの多様性!
よさこいのある祭には複数の多様なチームが参加することが多いため、チームごとにまったく異なる演出を見ることができるのが嬉しいポイント。あるチームは身体機能の限界に挑戦するようなダイナミックな演舞や技を披露するかと思えば、そのすぐ次に繊細なフォーメーションの隊列美を魅せる技をもつチームが現れるなど、見れば見るほど「次はどんなチームが出てくるだろう!」という気持ちが高まります。
振り付けや演出はチームごとに大きく変わる
2)色鮮やかな衣装!
よさこいの衣装は「着物や法被をアレンジした和装スタイル」というイメージですが、実はドレスコードはなく自由!
日常とかけ離れた色鮮やかな衣装を身にまとうことによって、踊る人も見る人もどちらの世界観をも変え、祭のハレの日を演出してくれる大切な要素。「衣装を着て踊ってみたい!」という理由でよさこいを始めた人も多いほど。
上甲さん
@横浜-
余談ですが、九州には実際のJR職員で構成されている「JR九州櫻燕隊」という、駅員さんの制服をアレンジした衣装のチームがありますよね。このチームの衣装がかっこいい!と日本のみならず海外からも話題を集め、そこからよさこいを知ったという人もいるんです!
JR九州櫻燕隊
3)全国各地で独自に発展するよさこい祭
もともとは戦後復興のため始まった「よさこい祭り」。主に地域発展の一環として様々なイベントの中に取り入れられ、全国に広がりを見せました。今や年中、週末には全国のどこかでよさこいのイベントが開催されているほどです。例えば九州では4月に「かごしま春祭大ハンヤ」、10月には「YOSAKOIさせぼ祭り」などがあります。
YOSAKOIさせぼ祭りFacebookより
4.注目する佐賀のよさこいチーム
上甲さん
@横浜-
私は高知の「よさこい祭り」を見て育ってきましたが、「YOSAKOIソーラン」のこともどちらもリスペクトしています。とにかく"よさこい"が好きなんです。もっとたくさんの人に知ってもらいたいし、全国各地でもっと盛り上がってほしいと思っています。
牛島@佐賀
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よさこいへの愛情をひしひしと感じます。
横浜にお住まいの上甲さんに聞くのもなんですが、佐賀で活動するよさこいチームもご存じなんですか?
上甲さん
@横浜-
はい。いつか生で見てみたいなと、密かに注目していたチームがあるのでご紹介しますね!
<上甲が個人的に注目する佐賀のチーム3選!>
佐賀でよさこいをしているチームの中では老舗の印象。老舗とあって堂々たる立ち振る舞いと佇まいを感じます。
嘉人恋Facebookより
2)佐賀大学 嵐舞(らんぶ)
学生チームなのでエネルギッシュで元気ハツラツとした印象。人数が多く華やかで、仲が良さそうなのもよいですね!
佐賀大学 嵐舞Facebookより
3)よさこいチーム彩海(さいか)
チームとして小さいながらも様々なイベントに出場、呼子を元気づけるために活動されています。
よさこいチーム彩海
牛島@佐賀
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なんと3つも!上甲さん、どこまで情報通なんですか...!
上甲さん
@横浜-
ふふふ。その中でも私と同じく高知県のよさこいスタイルで活動をされているのが「よさこいチーム彩海」さんです。このチームは「よさこい祭り」のルーツとなる"地域を元気する"というテーマを体現しているように思いますね。牛島さん、ちょっと彩海さんにインタビューしてきてもらえませんか?
牛島@佐賀
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はい、喜んでー!
5.推しのよさこいチームに会ってきた!
上甲さんの熱いラブコールにお応えして、唐津市呼子を拠点に活動する「よさこいチーム彩海」の代表、山根さんにお会いしてきました。2023年7月2日、佐賀駅前交流ひろばで開催されたよさこいイベント「Happy Yosakoi Saga」での演技終わりを直撃!
よさこいチーム彩海の代表・山根さん
牛島@佐賀
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お疲れのところお時間いただき恐れ入ります。はじめてよさこいの舞台を見させていただきましたが、旗を振る山根さんの勇ましい舞と、鮮やかな衣装を身にまとったメンバーの皆さんが楽しく踊っている姿が印象的でした!早速ですが、山根さんたちのチームは佐賀では珍しい「高知系のよさこい」を踊られているようですが、そのきっかけを教えていただけますか?
山根さん
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私は今から13年前ほど前、和歌山県で仕事をしていた頃によさこいを始めました。「紀州よさこい祭り」というイベントで、高知県からきているチームの踊りを見て感激したのがきっかけです。それからどんどんよさこいの魅力にはまって、高知県のチームに所属するために「よさこい移住」したんですよ。
牛島@佐賀
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よさこいがきっかけで高知県へ移住!すごい行動力ですね。どのような点が魅力と感じられたのでしょうか?
山根さん
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高知県の「よさこい祭り」は、老若男女問わず楽しみながら踊り、地域を活性化している様子に感銘を受けました。よさこいが地域に元気をもたらすほどのエネルギーがあるということに素晴らしさを感じたんです。そこで、地元の唐津市に戻った後、以前と比べて元気がなくなった呼子の町を見て、私も踊りの力でここを盛り上げたいという思いから「よさこいチーム彩海」を結成しました。
Happy Yosakoi Sagaでパフォーマンス中の彩海
山根さんはチームの立ち上げだけでなく、3年前から「呼子よさこい水光祭り」を企画・運営されています。昨年は16チームのよさこいチームが集結。呼子朝市通りや特設ステージで迫力満点のよさこいを披露し、地元の方々や観光客を大いに楽しませました。
山根さん
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今年も9月に開催する予定です。コロナの状況も収束に向かっているので、全力で開催したいと思っています。ぜひ、熱いよさこいを見に呼子にお越しください!
山根さんが主催する「呼子よさこい水光祭り」は、2023年9月17日開催予定です!イベント情報はこちら
6.よさこいの舞を刮目せよ!「YOSAKOIさが」開催
牛島@佐賀
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上甲さん、彩海さんの舞を見てきましたよ。華麗でした。
上甲さん
@横浜-
私もYouTubeで当日の様子を拝見しましたが、生で見たかったです...!それにしても主要駅前でよさこいを披露するなんて、佐賀って素晴らしいですね。私の住む地域ではなかなかできないです。うらやましい...!
そういえばこれから佐賀では激アツイベント「YOSAKOIさが」が開催されますよね!
牛島@佐賀
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えっと......(知らない)。
上甲さん
@横浜-
え!2日間もあって、しかも佐賀市内のメインロードを歩行者天国にして開催されるというのにご存じない?
牛島@佐賀
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あっ!そういえば「佐賀城下栄の国まつり」の演目の中にありましたね「YOSAKOIさが」!大変失礼しました。いかに私がよさこいを見落としてしまっているか、如実になってしまいました...。しかしそういう佐賀県民の方も多かれ少なかれいるはず。ここは声を大にして叫んでおきます。
佐賀城下栄の国まつりで「YOSAKOIさが」があるよーーーーーー!!!!
上甲さん
@横浜-
このイベントのなにがすごいかと言うと、全国よさこい大会でも受賞するようなハイレベルな九州地方のチームが多数参加するんです!私もいつか見てみたいと思うチームが集結しています。豪華!
牛島@佐賀
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いつでも佐賀にいらしてください。
上甲さん
@横浜-
行きたい気持ちは山々なんですが、私も大会を控えていて、週末は朝から晩まで練習なんです。牛島さん、代わりに見てきてね!
突如よさこいの世界に一歩踏み入れた私ですが、会場を巻き込むよさこいの熱気には心を大きく揺さぶられました!これまで何気なく見ていた「踊り」の景色が、その由来や魅力を知ったあとでは大きく変わって見えるので不思議ですね。
この夏、佐賀で披露されるよさこいの熱い舞をぜひ見に行きましょう!
イベント名 | YOSAKOIさが(佐賀城下栄の国まつり) |
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日程 |
8月5日(土)14:30〜20:00、8月6日(日)12:30〜20:30 |
場所 | 佐賀城公園内、佐賀市シンボルロード(MAP:佐賀城公園) |
公式サイト | https://www.city.saga.lg.jp/main/90584.html |
備考 | まつりの開催に伴い、会場となる中央大通り(佐賀銀行本店~中央郵便局)周辺の交通規制あり。 規制時間:両日14:30〜23:00 |