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【「佐賀日めくりカレンダー2021」制作レポート第2弾】カレンダー作りは職人技? 印刷の裏側をのぞいてみよう!「色校正・印刷編」 PR

こちらの記事に続き、「佐賀日めくりカレンダー2021」制作レポート第2弾となる今回は「色校正・印刷編」をお送りします!

第1弾でレポートした編集・デザイン作業が終わり、あとは工場で印刷さえすればカレンダーの完成‼......とはいきません。実際のカレンダーの印刷を始める前には「色校正」という工程があるようです。

今回は「佐賀日めくりカレンダー」ができるまでの色校正印刷にクローズアップします。

色の表現を的確にイメージに近づける

印刷工程で行われる「色校正」とは、実際に印刷された際の色味を確認するための試し刷りのこと

データ上では同じ色味でも、使う用紙や印刷機、インクの種類によって印刷したときの色には差が生まれます。そのため作り手が想像している色と、紙に印刷されたときの色に差がないかを実際に目で見て確認する色の校正(印刷物などの誤りや不具合をあらかじめ修正すること)」を行う必要があるそうです。

特に「佐賀日めくりカレンダー」は黒色に加え「特色」といわれる特殊なインクを5色も使い、日めくりカレンダーとしては珍しい仕様なので、色校正は重要な工程です。印刷会社から届いた校正用紙(試し刷り)を見ながらデザイナーと編集者で検討を重ね、印刷会社へ細かな指示を出します。

ここまでの作業を終えて、やっと実際のカレンダーの印刷に取り掛かります。

この微細な色の調整や指示を印刷会社ではどのように形にしていくのでしょうか?

今回は、2020年版から「佐賀日めくりカレンダー」の印刷を担当している「新日本カレンダー株式会社(以下、新日本カレンダー)」さんにテレビ電話で、カレンダー印刷についてインタビューしました!

カレンダー印刷のプロに聞く、印刷の裏側

通常のカレンダーではあまり使うことのない、特色インクを使う「佐賀日めくりカレンダー」の印刷を、唯一引き受けてくれたというのが大阪にあるカレンダー専門の印刷会社「新日本カレンダー」さん。

今回、カレンダー事業部部長・宮崎貴生さんにお話を伺いました。

ーー特色を5色も使った日めくりカレンダーを印刷、製本することについて、いろんな印刷会社から制作を断られたと「佐賀日めくりカレンダー」の企画やデザインをされている、編集・デザイン会社の「TISSUE Inc.」さんから伺いました。そもそも日めくりカレンダーの印刷は普通の印刷物よりも扱いが難しいのでしょうか?

宮崎さん

日めくりカレンダーには手をかざすと透けるくらい薄い「純白紙」が使われています。365ページに及ぶカレンダーを壁に掛けて使えるように、できるだけ軽くする必要があるからです。でも薄い紙は印刷機に詰まりやすく、作業リスクが大きいです。その上、複雑な多色刷りとなると、難易度が上がります。

重ねた文字が透けるほど薄い純白紙。

ーーなぜ他社では断られることが「新日本カレンダー」さんでは可能なのですか? また「佐賀日めくりカレンダー」と通常の日めくりカレンダーとでは、印刷方法の違いがあるのでしょうか?

宮崎さん

印刷ミス(=ロス)が多く出ると、どうしてもコストが上がってしまいます。どのくらいロスが出てしまうかもわからないスケジュールが組みにくいということで他社では敬遠されるのではないでしょうか。社内に純白紙の印刷方法を熟知している職人さんがいるのといないのとでは、大きな違いがありますね。

通常の日めくりカレンダーは、専用の印刷機にロールの純白紙をセットして機械にかければ製品になった状態で出てきますが、特色仕様の「佐賀日めくりカレンダー」はその印刷機で作ることができません。本やチラシを作るときに使う「オフセット印刷機」を使い、大きな1枚の純白紙に複数日分を印刷して、切り分けて製本します。

ドイツ製のオフセット印刷機。同じタイプの機械で「佐賀日めくりカレンダー」は印刷されている。

ーー通常と異なる特色仕様に手間がかかるのですね。そもそも「特色」はほかのインクとどう違うのでしょうか?

宮崎さん

印刷に使われるインクには、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(黒)の4色を組み合わせた「プロセスカラー」と、インクを調合して作られる「特色(スポットカラー)」の2種類があります。プロセスカラーで表現できる色の範囲は限られていますが、特色なら「佐賀日めくりカレンダー」で使われているような蛍光色や、メタル色も表現が可能です。

特色の配合はレシピがあるわけではなく、練ったインクを紙に乗せたときにどう発色するかを予測しながら、その日の温度や湿度、インクや紙の状態に合わせて配合します。職人さんの長年の経験値が必要な作業ですね。

経験豊富な職人さんの存在が、長年のカレンダー作りを支えている。

ーー最近では、日常で日めくりカレンダーを使う機会が少なくなったように感じます。カレンダー自体の注文も減っているんでしょうか?

宮﨑さん

カレンダー事業全体の売り上げは伸びているものの、日めくりカレンダーの注文冊数はピーク時から3分の2程に減少しています。注文の多くは昔ながらの酒屋さんや商店街さんの店の名前が入ったもので、各家庭にカレンダーを配る風習は残っていますね。ただ、パソコンや携帯電話の普及によりカレンダーを見る機会が減っていたり、狭いマンションにはいくつもカレンダーを飾れなかったり、そういった社会的な背景から廃業する小さなカレンダー印刷業者も増えてしまっているのも現状です。

僕らが「佐賀日めくりカレンダー」のような新しい試みも積極的に引き受けて、面白いモノ作りにチャレンジしていくことで、カレンダー業界全体が活性化して欲しいと考えています。難しいアイデアも可能な限り形にしていきたいと思っていますので「こんなものが作りたい!」「こういった仕様はできる?」など、なんでもご相談いただきたいです!

ーーなんとも心強いです。最後に、宮崎さんの思う、日めくりカレンダーの魅力ってどんなところなのでしょう?

宮崎さん

毎日めくるのは面倒かもしれないのですが、めくることで1日1日を大事に過ごすことを意識できますし、何気ない今日を素敵な1日にするきっかけになるんじゃないかなと思っています。「佐賀日めくりカレンダー」は僕も使っていますが、県民のみなさんが書いたイラストがかっこよく仕上がっていますし、毎日「今日はなんの日?」と佐賀のことを知れるのが楽しみですね。

デザインや色味が少しアップデートされた2021年版はただいま印刷中です。ぜひ期待していてください!

カレンダーならではの印刷方法や、印刷について知っていそうで知らなかったお話を伺えました。

一口に印刷と言っても紙の種類やインクの色の表現方法にそれぞれの専門性があり、さまざまなデジタル化が進んだ今でも、関わる人たちの経験に基づいた技術が重要だというところが興味深かったです。

「佐賀日めくりカレンダー」は11月に完成予定。

次回は、「佐賀日めくりカレンダー」はなぜ生まれたのか? そのきっかけやプロジェクトの経緯について県の担当者にお話を伺った「佐賀県庁訪問編」をお送りします。お楽しみに!

「佐賀日めくりカレンダー2021」ご購入について

現在、制作中の「佐賀日めくりカレンダー2021」は、EDITORS SAGAのオンラインショップで事前予約受付中です。

完成品は、11月中旬に発送予定!

佐賀県民の想いが詰まった日めくりカレンダー。 完成まで、首を長くしてお待ち下さい!

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EDITORS SAGA 編集部

編集部

今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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