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カフェで使われている有田焼を、そのまま持ち帰れるイベント「テイクアウツワ」が佐賀市内で開催

佐賀市内で開催される「テイクアウツワ」は、カフェでスイーツやドリンクを楽しんだあと、実際に使われているものと同じ有田焼を持ち帰ることができるイベントだ。

2026年5月29日から6月30日までの約1か月間、佐賀市内4店舗のカフェと有田焼窯元がコラボ。第2回となる今回は、オンライン会場も初開催される。

「テイクアウツワ」とは? 佐賀市内のカフェと有田焼窯元がコラボ

「テイクアウツワ」は、「器との時間を持ち帰る」ことをテーマにしたイベントだ。
参加店舗は、MAG COFFEE、cafe du panier、新SUN、KASEANNEの4店舗。
各店舗で限定コラボメニューを注文すると、実際にカフェで使用されているものと同じ有田焼を持ち帰ることができる。

さらに、佐賀市内の参加店舗で使える500円クーポン3枚(2026年11月30日まで利用可能)もプレゼント。イベント後も、カフェ巡りを楽しめる仕掛けになっている。

企画を手がけるのは、佐賀県佐賀市の株式会社JAFAN代表取締役・副島希帆さん。
「有田焼をもっと身近に感じてもらいたい」
そんな想いから始まったこの企画には、カフェという日常の場所を入口に、有田焼の新しい楽しみ方を届けたいという願いが込められている。

佐賀の人気カフェ4店舗で楽しむ「器とスイーツ」の世界観

今回のイベントで印象的なのが、器込みで完成する世界観だ。
参加するのは、佐賀市内の4つの人気カフェ。
それぞれの店の空気感やメニューに合わせて、窯元ごとに異なる有田焼が選ばれている。

MAG COFFEE|有田焼のカップで味わうハンドドリップコーヒー

佐賀駅南口近くに店を構えるMAG COFFEEは、スペシャルティコーヒーを楽しめるコーヒーショップ。レンガ造りの外観と、大きな窓から光が差し込むシンプルな空間が印象的だ。 

今回のイベントでは、有田焼のカップ&ソーサーで味わうハンドドリップコーヒーを提供。丁寧に淹れられたコーヒーの香りと、しっとりとした風合いの有田焼。

静かな朝や、少しひと息つきたい時間に寄り添ってくれるような組み合わせになっている。

cafe du panier|オーガニックココアと米粉チュロス&抹茶と柑橘ジュレのデセール

佐賀市兵庫北にあるcafe du panierでは、オーガニックココアと米粉チュロスのデザートセット、さらに初夏の抹茶と柑橘ジュレのデセールが登場する。

鮮やかな柑橘と抹茶の緑を受け止めるのは、やわらかな質感の有田焼のリムボウル。オーガニックココアと米粉チュロスのセットも、素朴さと可愛らしさが同居する一皿だ。

有田焼の器が加わることで、スイーツの表情や空間の雰囲気まで印象的に感じられる。

気取らないのに、どこか特別。
そんな、ちょっと嬉しい時間を過ごせそうだ。

新SUN|目にも鮮やかな南国果実のパフェ

旬のフルーツをふんだんに使ったパフェで人気の新SUN。佐賀を代表するフルーツパーラーとして知られ、季節ごとに変わる華やかなパフェを目当てに、多くの人が訪れる。 

今回のイベントでは、有田焼と南国果実のパフェを提供。
色鮮やかな南国果実を盛り込んだパフェを彩るのは、黒の有田焼の器。マンゴーやドラゴンフルーツ、パッションフルーツの鮮やかな色彩を引き立て、南国らしい華やかさをより印象的に見せている。

「その器どこのですか?」と聞きたくなるような、器とスイーツの一体感が魅力だ。

KASEANNE|濃厚黒胡麻プリン&ゴルゴンゾーラのチーズケーキ

落ち着いた空間が魅力のKASEANNEでは、黒猫がちょこんと乗った濃厚黒胡麻プリンと、ゴルゴンゾーラのチーズケーキを楽しめる。

遊び心のあるスイーツと、伝統的な技術を受け継ぐ有田焼。気取らず楽しめるのに、印象にはしっかり残る一皿だ。

静かな空間の中でゆっくり味わう甘さと、器の存在感。慌ただしい日常から少し離れ、器と過ごすカフェ時間をゆっくり楽しみたくなる。

伝統工芸をより身近に楽しむワークショップも

今回のイベント期間中は、KASEANNEを会場に、暮らしや手仕事を楽しむワークショップも開催される。

5月30日は、桃李堂・木原梢さんによる「夜の桃李堂〜甘々スイーツでご褒美Night〜」
6月7日は、ありたdeつなぐ・富田紗貴さんの「有田焼の箸置きづくり」
さらに6月20日には、桃李堂と中町美佐子笑店による「着物de調香体験〜着物に忍ばすお香袋づくり〜」も予定されている。

器を使うだけではなく、暮らしを少し豊かにする感覚まで楽しめるのも、「テイクアウツワ」の魅力のひとつだ。

ワークショップの詳細や申し込み方法は、公式HPおよび公式Instagramで案内している。
公式HP「お知らせ・イベント情報」

なぜ「カフェ×有田焼」?実際に使うことでわかる器の魅力

「カフェって、思わず写真を撮りたくなるようなメニューがたくさんありますよね。家でも真似してみよう、という『お洋服のマネキン』みたいな役割があると思うんです」

カフェの店長たちによると、普段から「その器どこのですか?」とお客さんに尋ねられることも多いという。
カフェは、スイーツや料理だけでなく、器への興味が自然と生まれる場所でもある。

「ショーケース越しに見るよりも、実際に使うことで初めて分かる魅力があると思っています」

例えば、口当たり。
プラスチックとは違うやわらかな感触。料理を引き立てる色や質感

そして、「この器で食べる時間」そのものが、少し特別に感じられる。

副島さん自身、器に関わる仕事を始めてから、料理やスイーツは"何にのせるか"で印象が大きく変わることを実感したという。

だからこそ今回のイベントでは、「まず使ってみる体験」を大切にした。

カフェという身近な空間を入口に、有田焼をもっと自由に、もっと日常の中で楽しんでほしい──。そんな想いが、「テイクアウツワ」には込められている。

器との時間を持ち帰る|おうちカフェまで続く体験

今回のイベントで印象的なのが、「器と過ごす時間を持ち帰る」という考え方だ。
「ただ器を販売するだけではなく、食体験の中で有田焼の魅力を感じてもらえたらと思ったんです」

カフェで食べたスイーツ。
その盛り付け。
器との組み合わせ。
楽しかった会話。

そうした時間の記憶ごと、自宅へ持ち帰る。

「カフェでの盛り付けを参考に、おうちカフェを楽しんだり、別の料理に使ってみたり。器が変わることで、家で過ごす時間も少し豊かになれば嬉しいです」

お気に入りの器にお菓子をのせる。
いつものコーヒーを淹れる。

それだけで、忙しい日常の中に少し余白が生まれる。
「器との時間を持ち帰る」という言葉には、そんな暮らしの変化への想いも込められている。

「有田焼って、こんなに自由なんだ」若い世代へ届けたい想い

有田焼というと、「高級そう」「敷居が高そう」というイメージを持つ人も多い。
副島さんによると、窯元からは「有田焼が若い世代にあまり手に取ってもらえていない」という声を聞くことも多かったという。

「引っ越しや結婚のタイミングで、ゆめタウンなどで食器を揃える人が多いんです。佐賀の宝である有田焼が、その選択肢に入っていないことに衝撃を受けました」

副島さん自身も、以前は有田焼を自分の暮らしのものとしては見ていなかった。
料理人の父と、和裁士の母のもとで育ち、有田焼が身近にある環境だった。それでも、その良さを実感するようになったのは、大人になってからだった。

「関東の若い方と話していると、『有田焼ってすごく良いよね』『東京の個展で買った』という声を聞くことが多くて。逆に、佐賀県民の方が当たり前すぎて魅力に気づいていないのかもしれない、と感じました」
そんな経験から、まず使ってみる体験が必要だと考えるようになったという。

「有田焼は80以上の窯元があり、それぞれに異なる魅力があります。『百花繚乱』とも言われるほど、本当にいろんな器があるんです」
価格帯もさまざまで、「有田焼=高級品」というイメージだけでは語れない。

だからこそ今回のイベントでは、「こんな有田焼もあるんだ!」という意外性を感じてもらうことを大切にした。
「私と同じ20代〜30代の方や、『有田焼って古風で高級そう』というイメージを持っている方に、多様な有田焼の魅力を知ってもらえたら嬉しいです」

さらに、有田焼は「鑑賞する器」というだけではなく、もともと業務用食器として使われてきた歴史もある。
「だから丈夫だし、電子レンジや食洗機に対応しているものも多いんです。忙しい現代の暮らしの中でも、意外とガシガシ使えるんですよ」

今回のイベントでも、数万円する特別な器ではなく、気軽に日常使いしやすい価格帯を意識して選定したという。
「割れたらどうしよう、と緊張しながら使うのではなく、まず気軽に使ってみてほしいです」

オンライン会場を初開催|佐賀から全国へ

今回は、遠方からの要望に応え、オンライン会場も初開催される。
有田焼だけでなく、佐賀海苔や、佐賀市内「すみなす」のコーヒードリッパーなどを組み合わせたギフトセットも販売予定だ。

「他の海苔が食べられなくなるくらい、佐賀海苔って本当に美味しいんです」と笑う副島さん。
有田焼と一緒に、佐賀らしい食や暮らしの空気感まで届けたい──。そんな想いも感じられた。

さらに、第3回は東京開催、将来的には海外開催も予定しているという。
「ドイツのクリスマスマーケットでマグカップを持ち帰るような、そんな文化的な楽しさも作れると思っています」

400年以上続く有田焼。
その価値を、知識として伝えるだけではなく、暮らしの中の体験として届けていく。

「テイクアウツワ」は、有田焼を特別なものから、暮らしの中で育っていくものへ変えていくイベントなのかもしれない。

「テイクアウツワ」イベント概要

イベント名 テイクアウツワ
期間  2026年5月29日(金)〜6月30日(火)
参加店舗 佐賀市内4店舗
MAG COFFEEF/ Café du panier/ 新SUN /KASEANNE
コラボ窯元 久右ヱ門窯/瑞峯窯/金善製陶所/文山製陶
公式SNS 公式Instagram:@98.kiho

ライター

副島かよこ

徳島生まれ、佐賀市在住の取材/トラベルライター。佐賀は豊かな自然、美味しいもの、歴史ロマン、魅力いっぱいの場所です。佐賀のすばらし...

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