古民家カフェ「コロンの森」店主の「好き」が詰まった皆が集う実家のような空間

古民家カフェ「コロンの森」店主の「好き」が詰まった皆が集う実家のような空間

佐賀市から車を走らせ約30分、そこは閑静な住宅街の中にあった。

玄関の引き戸を開けると、台所の方から「いらっしゃいませ」と優しい声が聞こえ、店主の井上様が玄関で出迎えてくださった。

台所から聞こえる食器を片付ける音、カーテンから指す西陽、足で感じる畳の柔らかさ。そのどれもが、まるで実家に久しぶりに帰ってきた時の、あの温かい感覚に似ている気がした。

可愛らしい店内。店主の「好き」を詰め込んだトトロの世界観。

お店の前に着くと、まず目に入るのは可愛らしい自販機と「コロンの森」の看板。そして足下にある誰かの小さな足跡が、私を店内に誘うようだった。

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ジブリ作品の楽曲が流れる店内には、優しい自然光が指していた。なんだかのんびりしていて、時間がゆっくり過ぎていく。

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そして店内には、ジブリ作品である「となりのトトロ」の可愛らしいグッズがそこら中に飾ってある。

というのも、店主の井上様は大のトトロ好きとのこと。家族からの勧めもあり、沢山持っていたトトログッズを店内に飾る事にしたそうだ。

併せて飾ってある、彩り豊かなユーカリの葉のドライフラワーも相まって、まるで店内はトトロの森の世界観だ。

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客室は主に2部屋。

1つはお座敷の部屋。この部屋は子ども連れのお客様も気兼ねなく使えるようにと客室として使っているそう。広いお座敷の部屋で、自由に楽しく走り回る子どもたちの姿が目に浮かぶ。

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2つめはダイニングの部屋。

こちらのお部屋にはハンドメイドアクセサリーの販売を行うコーナーがある。井上様のご家族手作りの作品だそう。料理が提供されるまでの待ち時間に眺めてもらえたらと、販売を兼ねた展示を始めたとのこと。どれも可愛らしくて、ついつい手に取ってしまう。

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可愛らしいアクセサリーばかり。眺める時間も楽しい

そしてテラス席とペットが自由に遊べるスペースがあるのも、「コロンの森」ならではの魅力である。テラス席はペット同伴での利用も可能。県内でも数少ないペット同伴カフェだ。テラス席は時期や気温で解放のタイミングが異なるため、利用を希望する際にはご注意頂きたい。

傍にはユーカリの木があり、淡い緑の葉を茂らせていた。ユーカリの葉が優しく揺れるテラス席でのランチもまた、素敵だなと思う。

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彩り豊かで野菜たっぷり。優しい味わいのランチプレート

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彩り豊かな野菜と可愛らしい小鉢で溢れている、目で、味覚で、楽しめるワンプレートランチ。健康志向を意識した内容なのが嬉しい。

今回頂いた「ランチプレート」、どのおかずも優しい味付けでお箸がどんどん進む。特にお野菜と鶏肉の甘酢餡和えのほんのりとした甘さと、レンコンのしゃきしゃき食感がたまらなく美味しかった。玉子の揚げ包みも、お出汁が染みて、ホッとする味わいだった。

内容は毎週変わるそうで、SNSで都度告知しているそう。旬のお野菜も季節ごとに取り入れるそうで、来店する度にプレートの内容の変化も楽しめる。唯一、大根のクリームチーズ包みはお客様から好評の為、常時プレートに入っているメニューだそう。大根とクリームチーズがこんなに合うなんて、新発見だった。

その他、お子様ランチプレートやデザートセット、パスタやカレー等もあり、メニューはかなり豊富。

「皆が集まれる、憩いの場をつくりたい」という思いから、カフェをオープン

「以前は子どもを連れて出かける場所や、集まれる場所がなかった。」と店主の井上様が語ってくれた。

子育てをしていた当時の思いを背景に、子連れも、誰でも集まれる「場所」を作りたい!という思いが以前からあったそう。その思いの実現の為に様々な事柄にアンテナを張って、そうして辿り着いたアイディアが、「カフェの開業」だったそうだ。

「旅行先で出会ったドッグラン付きのカフェにとても魅力を感じて、1週間滞在して勉強させてもらいました」
穏やかな口調でお話ししてくださったが、そのアクティブさに驚かされる。やってみたいことの実現の為に貪欲に取り組み、最後まで成し遂げることは並大抵の思いだけではできないと思う。

そして、2019年11月にカフェ「コロンの森」をオープンする。
やりたいことの実現に向けて、家族や周囲の人達が肯定してくれて、協力してくれて、そしてお店を開くことができたと語る井上様。その言葉の端々から、家族の仲の良さと井上様ご自身の信頼の厚さを伺うことができる。

そして気になっていた、「コロンの森」という名前の由来について。コロンとは、以前飼っていた愛犬のお名前だそう。カフェに一緒について来て欲しかったという思いもあり、カフェの名前に取り入れたとのこと。大切な家族の名前と一緒に日々カフェを営業されているのだ。

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この看板がコロンの森への目印

カフェを続けるモチベーションは、お客様の声と笑顔

「子どもがお座敷ではしゃぐ姿を見るとこちらまで嬉しくなりますし、店内の雰囲気も明るくなります。」と井上様は語る。

「子どもが大好きなので、子連れの団体の予約が入るとワクワクします!」とお話する表情には、自然と笑みが溢れていた。

子どもが遊ぶ姿を見ること、そしてお客様の声と笑顔が、カフェを続けていく上でのモチベーションになっているそう。多忙な時期には自暴自棄になることもあったそうだが、それでも「人を喜ばせたい、笑顔が見たい」という想いが根底にあり、それが達成されたと感じる度に、カフェを続けてきて良かったと実感するそう。

様々なことにアンテナを立てて。これから挑戦したいこと

ランチプレートをはじめ、野菜豊富で優しい味付けといった健康志向なメニューは「コロンの森」ならではの強い魅力だと感じる。それに伴い、今後はロースイーツに挑戦したいと井上様は語った。ロースイーツとは、小麦粉や砂糖等を使用せず、生の食材を使用し、素材本来の栄養素を摂取できる健康的なスイーツとのこと。

思い立ったら即行動。その探究心と行動力でロースイーツについての講座を受講し、インストラクターの資格を取得したとのこと。今年の3月にはお店での提供を計画しているそう。県内でもあまり聞き慣れないロースイーツ。提供が始まるのがとても楽しみだ。

最後に

「これからも、皆さんにとっての集える場所で有り続けたいです」と穏やかな口調で語る井上様。その言葉の根底には「人の喜ぶ姿や、笑顔が見たい」とい想いがあった。その想いに突き動かされて、皆が集える場所としてカフェを開業されている。その行動する勇気に脱帽だ。

やってみたいこと、叶えたい思い、それらがあってもその実現の為に行動を起こすことはかなり勇気のいることだと感じる。拠点を変えて、生活を変えて、何も知らない世界に飛び込むのはかなり怖い。環境や時期など、辞めてしまう口実もいくらでも思いつく。

それでも、井上様は「やってみたいことがあると、行動が先に出ちゃうんですよね」と語った。その表情はとてもいきいきとされていた。

自分の思いに正直で、更に、やるからには突き詰めて学び、夢の実現の為に確かに一歩一歩を歩んでいく。このカフェはそんな井上様の「魅力」と「好き」が詰まった場所なんだと感じた。

是非一度、「コロンの森」でその魅力に触れて、のんびりとした時間を過ごして頂きたい。

店舗情報

店舗名 コロンの森
住所 鳥栖市原古賀町815-2
営業時間 11:00 ~17:00
定休日 月~木(金・土・日のみ営業)
駐車場 有り
公式SNS Instagram:@café_coron_no_mori
地図

ライター

葵井

1998年生まれ、熊本県出身。 就職をきっかけに佐賀県へ移住。 散歩しながらフィルムカメラで写真を撮る事が趣味。 広い水田、空が...

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