はじめまして「きゅーた」です。筋トレとカレーが趣味で、週5で筋トレ、週1でカレーを食べに出かけています。
この度、編集部の方にわたしのホットなカレー愛が伝わり、めでたくカレーライター(?)としてデビューさせていただきました。普段はエンジニアとして佐賀市内のIT会社で働いています。(実はこのEDITORS SAGAにも立ち上げ当初からエンジニアとして関わっており、何かとご縁を感じております)
これから、わたしが食べ歩く中で「これは......!」と思った佐賀のカレーを紹介していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
そして記念すべき第1回目は、佐賀市天神にある「喫茶ヤク」さんにお邪魔してきました。こちらは月に1回くらいのペースでメニューが入れ替わり、他にはない変わったカレーが食べられるということで、前から気になっていたお店です。「他にはない」と聞くとカレー好きの血がゾクゾク騒ぎます。
佐賀駅南口エリア界隈の路地裏を進むと、鮮やかな緑の蔦で覆われた古民家のような建物が。ここが「喫茶ヤク」さんです。
外壁の蔦と緑の丸い看板が目印。外観から既にただならぬ個性を感じます。
いざ、入店!昭和歌謡が流れる懐かしの空間
お店の中に入ると早速スパイスの香ばしさが鼻を刺激してきます。この香りだけで食欲がそそられますね。店名どおり懐かしい喫茶店のような店内には、カウンターとテーブル席が。BGMにはピンクレディーなど昭和の歌謡曲が流れ、お店の雰囲気にすごくマッチしていました。
ここはもともと店主の西村さんのお父さんがギャラリーをされていた場所なのだそうです。建物も古くなり、一時は手放すことも考えたそうですが、なんとか家族の思い出の場所を残したいと店内を改装。2021年4月に「喫茶ヤク」をオープンされました。
聞き慣れないワード満載の風変わりなカレー
お店の雰囲気を堪能したところで、早速カレーを注文!
カレーは基本的に月に一度の変更となっており、わたしが行ったときは
・鯨出汁ニッポン風カレー(その2)とスパイスお惣菜
・海南風チキンカレー飯
の2種類でした。
どちらも食べたいという方は2種類の合いがけもできますので、カレー好きのみなさんご安心ください。(もちろんわたしは合いがけにしました)
手書きで味のあるイラストには、聞き慣れないキーワードばかり。チャナダル......プラオ......パンチフォロン......?しかしこうした知らないワードが入っていると「これは本格的なカレーなんだな」と逆にワクワクしてしまうのはわたしだけでしょうか?
店主西村さんによる手書きの商品説明。カレー初心者にも優しい
カレーがきたッ!
左が「鯨出汁ニッポン風カレー」、右側が「海南風チキンカレー飯」です。ご飯はコーンのプラオ(*1)。その上に乗せられた付け合わせがカレーとの相性抜群です。今回の付け合わせは写真の上から大豆のマリネ、大根アチャール(*2)、スパイシーだし。
*1...プラオはインドを代表するお米を使った料理(ビリヤニとは少し違う)、*2...アチャールはインドの漬物
実際に食べ進めてみると酸味、辛味、苦味など色んな味を感じることができて不思議な気分になりました。丸い実のまま入ったティンプールをガリっと噛むと口の中にふわっとした香りが広がり、鼻へと爽快感が突き抜けます。食感もフワフワした柔らかさや、カリカリするような硬さ、じゃりっとくる歯ごたえなど、色んな食感がお皿の上に点在していて、リズミカルに楽しめるカレーです。
付け合わせとの相性で色んな味を楽しめるのが嬉しいですね
鯨肉を使ったカレーを食べるのはわたし自身も初めてでしたが、鯨肉特有の臭みも全然なく、美味しく頂けました。使っているスパイスで臭みを緩和できるように調整しているとのことで、西村さんのこだわりと優しさを感じますね。味はもちろんですが、見た目、香り、食感でも楽しめるカレーでした。
店主西村さんのカレーへの情熱
美味しくカレーをいただいたあと、西村さんにお話を聞いてみました。
きゅーた
-
ごちそうさまでした。すごく美味しかったです!鯨肉のカレーは意外と和風な味付けなんですね。
西村さん
-
ありがとうございます。長崎で鯨を出汁で煮込んだ料理を食べた時に、これをカレーにしたら美味いんじゃないかと考えていたんです。ただ鯨肉はコストがかかるのでメニューとしては断念していました。ですが、最近では普段使っている牛肉や鶏肉も高騰していて、もう鯨肉とあまり変わらないくらいの価格になっていて。だったらもう鯨肉買ってしまおうと!(笑)この機会につくってみました。
きゅーた
- そうだったんですね!長崎での鯨料理との出会いで着想されたということですが、普段からいろんな飲食店を回って研究されているんですか?
西村さん
- いえ、そういうわけでもないんです。僕は正直なところ何を食べても美味しいと思うタチなんですよ(笑)。
カレーのレシピも以前バーテンダーをしていた時にお客さんに教えてもらったものがベースです。それを何度も作って覚えて、季節のものだったり、その時の僕の気分でアレンジを加えて、毎月違うカレーを作っている形ですね。ありがたいことに飲食店の方がよく食べにきてくださるのですが「出汁はこんな風に取るといいよ」とか、みなさん色々教えてくれるんですよ。僕はいい意味でその辺プライドないので、どんどん学ばせてもらっています(笑)。
謙虚で学ぶ姿勢が素敵すぎる西村さん。毎日の夕飯は試作のカレーなのだとか。カレー好きとしては羨ましさを感じる......
きゅーた
-
これからの目標や、目指されていることなどはありますか?
西村さん
-
ここはビジネス街も近いので、例えばサラリーマンの方が「今日はなんか変わったの食べたいな〜」という気分の時に来てもらえるようなお店でありたいですね。美味しかろうがそうじゃなかろうが、なんかあの店変わったカレー出してたよ、と会社で話題にしてもらえるような、会話の糸口にしてもらえる店でありたいと思います。
あと、ここは元ギャラリーだったので色んなアーティストたちが来てくれるのですが、そうした方々の作品を広めることも手伝っていけたらと。7月と8月、お店でイベントやってますので、ぜひカレーとアートを楽しみに来てほしいです。
立石覚さんの書画、写真を展示されるそうです
西村さんは「僕は料理そんなに上手くないので......」とおっしゃていましたが、食材の下処理方法など色んなこだわりが随所にあり、楽しくて美味しい時間を過ごさせていただきました。一風変わったカレーが食べてみたいという方はぜひ「喫茶ヤク」に足を運んでみてください。
店舗情報
店舗名 | 喫茶ヤク |
---|---|
電話 | 0952-37-1619 |
営業時間 | 11:30 〜 14:30 |
定休日 |
月、火曜日 ※月2回程度不定休 |
公式SNS |
Instagram:@kissa.yak メニューが変わったことやお店のお知らせ、定休日の連絡などもこちらで発信されているので行く前に要チェックです! |
住所 |
〒840-0815 佐賀県佐賀市天神2丁目1−51 |
地図 |
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ライティング:きゅーた(@EWM_Reque)
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