とても味わい豊かで繊細な佐賀の日本酒たち。そんな銘酒たちを嫁入りする女性にみたて、その日本酒にピッタリの旦那さま（おつまみ）を全国各地から見つけてお見合いをする企画「佐賀の日本酒、嫁ぐ」の第2弾です。
※第1弾【宮の松（松尾酒造場）～日本酒、嫁ぎます～】
今回嫁入りする日本酒『天吹 純米 雄町 ひやおろし』
今回嫁入りする日本酒を作っているのは、佐賀県みやき町にある天吹酒造さん。創業1688年の歴史ある酒造で、佐賀平野で収穫された酒米と脊振山系のまろやかな伏流水を使い、美酒造りを追及しています。酵母に花の蜜から分離された「花酵母」を使っているのが特徴で、柔らかく、花の香りを思わせる個性豊かなお酒たちが数多く生み出されています。酒蔵は予約すればいつでも見学ができ、定期的に試飲会なども開催しています。
そんな天吹酒造さんに今回花嫁候補としてオススメされたのが、『天吹 純米 雄町 ひやおろし』
初秋のこの時期にしか味わえない旬のひやおろしをチョイスしてもらいました。酵母にコスモスを使っており、香りは穏やかで、ほど良い酸度が幅広い料理に合わせやすい純米酒です。
花婿候補にノミネートした3品
今回の候補は中国・四国地方からそれぞれ名乗りをあげました。
広島県からは燻製風味牡蠣の炙り。香川県からは讃岐名物の味付きいいだこ。そして岡山県からは備前黒牛を使った肉ちりめん。
それでは、1品ずついただいてみましょう。
実食『燻製風味の牡蠣の炙り』
まずは燻製風味の大人の香りが漂うドッシリとしたナイス貝（ガイ）。牡蠣の炙りをいただきます。
想像以上に柔らかい食感で、味もしっかりついており、旨味が凝縮した安定感抜群の美味しさです。そこにコスモスの香りを漂わせやってきました天吹です。口にしてみると花酵母というフレーズから甘く優しい味を想像していましたが、意外としっかりとした味わいです。牡蠣の味に負けずに、後味まで日本酒のうま味を味わうことができ、似た者同士なかなか相性は良さそうです。この組み合わせは秋の夜長にピッタリの静かで落ち着いた時間を感じることができます。
実食『讃岐名物の味付きいいだこ』
続いては、四国は香川県からやってきた讃岐の味付きいいだこ。「味付き」というだけあってどんな味をまとってきたのか。さて、ひとつまみ。
甘い。かなり甘い。さては、大事なお見合いに向けて相当個性を押し出してきたのでしょう。それぐらいの甘さで、いいだこは積極アピールをしてきました。これだけでも大満足の味なのですが、さて天吹との相性はいかに・・・。
一緒に口にしてみると、確かにうまい。やはり日本酒とタコは合いますね。しかし、ちょっといいだこの主張が強すぎる気がします。いいだこの甘さの主張で天吹がちょっと陰に隠れちゃったかな。これはいいだこまさかの作戦ミスか!?
実食『備前黒牛を使った肉ちりめん』
最後に岡山県から備前黒牛を使った肉ちりめんが登場。備前黒牛という肩書を引っ提げて、なおかつ肉と魚の両方を併せ持つ万能タイプ。これはなんにでも合いそうです。
食べてみると、基本はちりめんじゃこですが、時折肉の味がして、それがさらに魚の味を引き立てて、かなり美味です。しかし、落ち着いた味を想像していましたが・・・まさかのこちらも結構甘い！
この甘さは、いいだこの再来か!?それでは天吹をぐいっ。
やはりそうきましたね。ご飯や豆腐など何にでも本当に合うこと間違いなしのちりめんは日本酒ともそれなりに合いますが、天吹はちょっと控えめな感じで、主張が少な目な印象。あと味がかなりちりめんです。これは日本酒好きであればあるほど賛否両論ありそう。
日本酒『天吹』の嫁ぎ先が決まりました
天吹のベストパートナーは・・・牡蠣の炙りに決定！
皆さんお察しの通り、今回のベストカップルは牡蠣の炙りでした。牡蠣を食べても後味までしっかり天吹の味を楽しめて、まさに天吹が一番自然体でいれる相手でした。
我々編集部も佐賀の日本酒を愛すが故に、日本酒の味をしっかり楽しめる、一歩引いて天吹を見守ってくれる大人の相手を選んでしまったのだと思います。
ということで、今回の『天吹 純米 雄町 ひやおろし』は、広島県からやってきた燻製風味の牡蠣の炙りのもとへと嫁入りが決定！
さいごに
今回の日本酒嫁入り企画は、あくまでEDITORS編集部の目線でパートナーを選ばせていただきました。もしかしたら他にも最高の組み合わせがあるかもしれませんし、今回の3品でも好みによっては別の答えがあるかもしれません。これから皆さんが牡蠣を食べるときには、ぜひ今が旬の『天吹 純米 雄町 ひやおろし』を飲んでみてください。
店舗情報
天吹酒造
住所：〒849-0113 佐賀県三養基郡みやき町東尾2894
電話：0942-89-2001
ホームページ→http://www.amabuki.co.jp/kuramoto/
EDITORS SAGA編集部 原田光
