「財布にも環境にも優しい!肥前吉田焼の店『えくぼとほくろ』が6軒同時オープン!!」|前編

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「財布にも環境にも優しい!肥前吉田焼の店『えくぼとほくろ』が6軒同時オープン!!」|前編

嬉野温泉の中心街から、車で8分の距離にある吉田皿屋地区。肥前吉田焼で知られる、この焼き物の里で1月26日「えくぼとほくろ」という新しい店舗がオープンした。

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「えくぼとほくろ」は、肥前吉田焼の窯元の工場に併設された焼き物の店だ。吉田皿屋地区に点在する6つの店舗では、その窯元の商品の購入と同時に工場見学をすることができる。さらに特徴的なのが、このショップでは「規格外品」とされ、本来は市場に出回らない商品が定価の20〜50%OFFで販売されている

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「規格外品として処理されてしまう1割の焼き物」

規格外品とは、釉薬(うわぐすり)をかける際の小さな気泡が、わずかなくぼみ(えくぼ)になった磁器や、原料に含まれる鉄分などが小さな黒い点(ほくろ)になった磁器を指す。

どんなに丁寧に作っても1割ほどはこうした規格外品が出てしまう。正規品と比べても、すぐには、わからない違いなのだが「規格外品」とされたものは、陶器市で投げ売りされるか、産業廃棄物として処分されてしまう。

こちらが「えくぼ」の写真だ。写真の左下のあたりに小さなくぼみがあるのがわかるだろうか。粘土を針の先で少し突いた様なへこみがある。意識して探さないと見逃してしまいそうになるが、これがあるだけで器の価値は著しく下がってしまう。

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こうして過剰に品質にこだわる状況はあまり好ましく無いものだと言える。なぜなら焼き物の材料は限りある天然資源だからだ。磁器の場合、山から採掘した陶石を、機械で細かく粉砕し粘土状にしたものが材料として使われている。

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良質な陶石となるとさらに限られ、国産陶石のシェアで約8割を占める天草陶石は品質の良さで知られるが、近年では質の良い陶石の産出が減っているとも言われている。

そんな中で「規格外品」として、一律に厳しい基準で弾いてしまうのは、時代に合っていないのではないか。そうした問題意識もあり「えくぼとほくろ」のプロジェクトは立ち上げられている。吉田皿屋地区にできた新ショップ「えくぼとほくろ」は、財布に優しいだけでなく、環境にも優しいお店なのだ。

百聞は一見にしかず。一度自分の目と手で焼き物の「えくぼ」と「ほくろ」を確かめてみて欲しい。「えくぼ」や「ほくろ」が器の持つかわいらしい個性と感じられるかもしれない。

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「400年の歴史を持つ肥前吉田焼」

国産磁器発祥の地である有田から30キロほど離れた距離にある吉田皿屋地区は、有田皿山の大外山という地域に含まれ、生活雑器などを中心に江戸時代より磁器の生産を行ってきた。名前を出さず下請けとして仕事をすることが多かったため、肥前吉田焼の名前はあまり知られていないが、歴史と技術においては、有田焼と同じ流れを汲む伝統ある磁器産地である。

しかし、国内の陶磁器産業を取り巻く環境は厳しく、陶磁器の生産額は、バブル期をピークに現在は半分以下の水準となっている。「安い外国産陶磁器の輸入の増加」「生活環境の変化による国内需要の減少」など様々な原因が指摘されているが、解決策がまだ見えないのが現状だ。

「肥前吉田焼の新たな取り組み」

そんな中、肥前吉田焼の窯元組合は、2016年にデザインコンペを行い、外部のデザイナーと地元の窯元が共同で新たな焼き物の開発を行った。そして、耐熱磁器を使ったコーヒーロースター、鳥の形をした醤油差し等、全10作品が実際に商品化され販売されている。

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肥前吉田焼は、伝統と技術を持ちつつも、主に生活雑器を作ってきた産地のフットワークの軽さを生かし、次世代のモダンな磁器の開発を行っている活力ある産地だ。今回の「えくぼとほくろ」ショップのオープンは、そうした肥前吉田焼の一連の施策の一つでもある。

(後編へつづく)

情報

「えくぼとほくろ」ショップの予約は電話またはWEBサイトより受付

肥前吉田焼窯元会館  

住所:〒843-0303 佐賀県嬉野市嬉野町大字吉田丁4525-1
電話:0954-43-9411
営業時間:9:00〜17:00
駐車場:有

WEB:「えくぼとほくろ」ウェブサイト
https://peraichi.com/landing_pages/view/yoshidayaki
※予約フォームあり

WEB:肥前吉田焼ウェブサイト 
https://www.yoshidayaki.jp/

WEB:嬉野茶時ウェブサイト
https://www.ureshinochadoki.com/


EDITORS SAGA編集部/西信好真(ライター

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今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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