「とりあえずビール!」居酒屋で飛び交う定番フレーズ。
キンキンに冷えたジョッキで乾杯した時はTHE至福。飲み好きにはたまらない一瞬ですね。
そして最近よく耳にする言葉が「クラフトビール」。コンビニで見かけることも多くなりました。
そんなクラフトビールがみやき町で作られている!?ビール好きとしてはぜひ、真相を深堀せねば!
早速みやき町にお邪魔しました!
「神バナナ」を使ったみやき神バナナプレミアムエール
バナナといえば、フィリピンやインドネシアのような南国を思い浮かべる人も多いはず。そんなバナナがみやき町で作られているなんて!しかも、そのバナナを使ったプレミアムエールがあるのだそう!
そもそも「神バナナ」とは?
国産バナナの流通量はわずか0.2%ほど。その中で最大のシェアを誇るブランドバナナが「神バナナ」
バナナにとって最高の環境をと、名水百選の天然水を使い、完全無農薬で育てられています。害虫がつけば一つ一つピンセットで取り払い、汚れていれば布で丁寧に拭き上げるなどたくさんの愛情が注がれているんです!
そんな「神バナナ」の特徴は何といっても皮まで食べられること!剥いて食べる果物界代表バナナの異端児とも言えるでしょう。
みやき町で神バナナの栽培を始めたきっかけ
年々農家離れや農家の高齢化により、畑や田んぼだった土地の耕作放棄地化が進んでいるみやき町。
この状態を打開するには、「健康長寿のまちづくりを進める町」として、安全で安心して食べられる新しい特産物を作る事が大きなカギになるのでは?と考えたのだそう。
丁度、鹿児島県で国産無農薬のバナナ「神バナナ」の産地拡大を進めようと奮闘していた農業法人神バナナ株式会社の東社長と意見がマッチし、2019年にみやき町で「神バナナ」の栽培を始めることになりました。
そこで栽培に選ばれた場所が、遊休地になっていた白壁地区のテニスコート。
5800㎡ほどの広い土地を利用した「神バナナ」の生産が本格的にスタートしました。
ハウスの中には400本ものバナナの株が植えられ、ジャングルさながら。
みやき町の農園も水にこだわり、土地に井戸を掘って湧き出た水で育てられています。
繊細なバナナは丁寧に管理していても少しの変化などで弱ってしまうそう。常に適温を保ち、風通しなどを配慮しながら、育てることが必要不可欠な「神バナナ」苗の成長が安定するまでは、社長自ら鹿児島よりみやき町のハウスまで2週間に1度、来られていたのだとか。
そんな大切に育てられた「神バナナ」ですが、昨年、豪雨や台風に襲われ、2度の浸水被害に見舞われます。何度も株の植え替えが行われ、2020年5月27日に初収穫を迎えました。
2020年5月27日に行われた初収穫セレモニーには、黄色い帽子を被った北茂安小学校の学童の4年生の姿も。町民に公開したのは今回が初めてなのだとか。今後はスケッチ大会などにも使われるような、解放された場所を目指すとのこと。
初めて見るバナナ農園に「TVでしか見たことない!」や「でっかー!」、「バナナってこう成ると!?」と歓声が上がります。みやき町町長末安氏との交流もあり、終始の笑顔溢れるセレモニーでした。
緊張した面持ちの子ども達。スタッフのお兄さんたちの手を借りながら収穫する様子。
1本の木から収穫できるのはたった一度だけ。1本の木には100本もの実がなるのだそう。
普段見るバナナに比べ、小ぶりではあるものの、ずっしりとした重みの「神バナナ」は1房を持ち上げるのも筋トレになりそう...。
収穫間もない「神バナナ」はまだ青く、これから約1週間、もみの木で作られた室(むろ)の中でじっくりと寝かせるそう。早く熟させるバナチレン(バナナ専用追熟ガス)などは一切使用しないという徹底ぶり。
そして成熟した「神バナナ」がこちら。
食べ頃はシュガースポットと呼ばれる黒い斑点が全体に出てくるころ。あと2,3日くらいでしょうか。
食べ頃が待ち遠しい!
忘れてはならない今回の取材の目的、みやき町産クラフトビール!
手塩にかけて大切に育てられた貴重な「神バナナ」
バナナジュースやバナナチップス、バナナケーキなど選択肢がある中で、なぜバナナビールを?
早速、みやき町秘書公室政策推進監の平井さんに伺いました。
みやき町
秘書公室
平井さん-
実はバナナチップスなどは神バナナ(株式会社)さんが作られているんです。しかもすごく美味しくて。みやき町では神バナナさんが商品開発していないものを作っていこうってなりました。一緒に開発はしますが、お互いの得意分野や繋がりもあるのでお互いが作ってないものを作っていこうと考えています。
そこで佐賀県はビール麦の耕作量がトップクラスであること、DHCとの独自の繋がりで、みやき町地ビールの製造を行うことが決まりました。
佐賀県初!?役場育ちのホップ
ビール作りで忘れてはならない材料の一つ、ホップ。ビールの味や香りがこれで決まる!といわれています。
海外輸入が多く、九州での栽培はあまり向かないとされていますが、全てみやき町ブランドで作りたい!そんな思いからみやき町で栽培することに。
そんなポップの栽培も一筋縄ではいかなかったのだとか。
水やりなどの管理が大変な上に収益が見込めないため、一番小規模で育てやすい場所として選ばれたのが、役場の軒先でした。手探りで大切に育てられたホップですが、夏本番を前に半分が全滅。残ったホップの場所を移すなど試行錯誤した結果、昨年は5,6kgもの量の収穫ができました。
今年は4月15日から栽培をスタートし、順調に育てば8月末には収穫を迎えるとのこと。
役場の軒下に鉢植えされて約1か月。早いものでは4mほどの高さまで成長していました。
収穫の日までがんばれー!
バナナビールの主役は揃った!
海外でも人気の高いフルーツビール。香料が使われるなど、カクテルのような味わいのものが多いとか。
みやき神バナナプレミアムエールはビールテイストを残しつつ、香料を使わず本来の「神バナナ」の味を感じられるように作られています。
みやき町
秘書公室
平井さん-
実は事前に試作のテイストができなくて、ラベルのない瓶で送られてきた試作品1号はドキドキで1人では試飲ができなかったんです。
椙村さん(地域おこし協力隊)と一緒に試飲しました。
と、平井さん。緊張の試作品1号はバナナとビールの味がいい塩梅。これはいける!と思ったとか。
そんなみやき神バナナプレミアムエールに合わせるおつまみはmeijiの冬期に限定発売されるMeltykiss。
大人のチョコバナナを味わえるのだそう。
今年みやき神バナナプレミアムエールの発売は10月頃を予定。ぜひ、試してみては?
最後に
「みやき神バナナプレミアムエール」とみやき町のビール麦とホップを使った「みやき燦燦」の2つのクラフトビールを展開するみやき町。最後に「神バナナ」とみやき町の"これから"を伺いました。
みやき町
秘書公室
平井さん-
クラフトビールや神バナナは一つの広告塔。まずは新しい特産物として興味を持ってもらい、みやき町や神バナナ株式会社を知ってもらいたい。全国のPRに繋がればいいですね!
みやき町と神バナナ株式会社の思いと愛が詰まった「神バナナ」
実はバナナはそんなに好きじゃないという、東社長の爆弾発言はさておき、今後はクラフトビールだけでなく、アイスクリームやロールケーキなども発売も検討中だとか。発売が楽しみです!
購入先 | みやき町役場庁舎2F「一般社団法人 ふるさと振興協会」、JONAISQUEARなど |
---|---|
住所 |
みやき町役場:〒849-0113 佐賀県三養基郡みやき町大字東尾737-5 JONAISQUEAR:〒840-0041 佐賀県佐賀市城内1-6-10 サガテレビ 1F |
WEBショップ | https://store.shopping.yahoo.co.jp/miyakishop/ |
販売予定 | 2020年10月頃 |
子ども達の初収穫の様子はこちら
オフショット
「実はそんなにバナナ食べないんですよね。」と東社長。美味しいバナナを作るためにたくさん食べられたから...?
東社長の発言に緊張した雰囲気が一気に和やかに。
「バナナはあがんなっとよー、太かねー!」と話す、北茂安小学校の4年生とみやき町町長 末安氏。
初めて収穫する神バナナに興味津々!
食べ頃は2,3日後と聞いた直後に食べる、編集部。ほんとに皮まで食べられる!と感動。
試作品のみやき神バナナアイスを試食。商品化が楽しみ!
関連記事
【村岡総本舗】新商品2019「バナナ羊羹アイスキャンデー」バナナトリオもご紹介!|佐賀県変わり種スイーツ巡り#17
EDITORS SAGA編集部 相馬千恵子