唐津市和多田、成和小学校の桜並木を望む住宅街の一角に、2025年にオープンしたばかりのカフェがあります。
その名は「cafe ortoyo(カフェ オルトヨ)」。
米粉を使ったシフォンケーキが看板メニューのこのお店は、ベビーカーや車椅子でも訪れやすい空間づくりでも注目を集めています。
実際に子どもと一緒に訪れてみると、店内には"日常にそっと寄り添う"工夫が、あちこちに散りばめられていました。

名前に込められた3つの想い
「cafe ortoyo」という、少し珍しい店名。
その由来をオーナーにうかがうと、ひとつひとつの言葉に丁寧な想いが込められていました。

中心にある「ortoyo(オルトヨ)」は、佐賀に伝わる方言で「居るんだよ」という意味があるそうです。
そして「orto」はイタリア語で「畑」。もともとこの場所が畑だったことから、イタリア語と地元の方言を掛け合わせ、この名前が生まれました。
「いろんな人が居る場所であってほしい」
そんなオーナーの願いが、ひと言の中に静かに収まっていました。
米粉と小麦、「選べる」を大切にしたメニュー
お店の看板メニューは、ふわふわのシフォンケーキ。米粉と小麦、どちらの生地にも対応しています。
「米も小麦も、両方あったほうがお客さまが選べますから」とオーナー。
グルテンフリーを希望する方も、そうでない方も、それぞれが好きなほうを選べる──その自由度こそが、お店のコンセプトなのだそうです。

「米米(こめこめ)セット」(ドリンクセット ¥850)
今回いただいたのは、グルテンフリーのセット。
米粉のクリームシフォンに、米粉でとろみをつけたもっちりパンナコッタを組み合わせた、"米づくし"の一皿です。

シフォンはふんわりと軽く、それでいて米粉ならではのもちっとした弾力が口の中に残ります。

「5月のスイーツ・初夏のふわふわプレート」(ドリンクセット ¥1050)
季節限定のプレートも気になり、あわせて注文してみました。
パセリが入ったシフォンに、季節のフルーツと自家製ストロベリー&ヨーグルトアイスが添えられた、目にも涼やかなひと皿です。ふんわり軽いシフォンと、コクのあるアイスが初夏らしい組み合わせでした。

「サクサク・ふわふわ、あまじょっぱいバターシュガーシフォン」(¥350)
こちらは人気メニューのひとつ。
塩気と甘さが折り重なるシフォンは、コーヒーとの相性も抜群。甘すぎず、最後まで心地よく楽しめる味わいでした。
地元の素材と、人とのつながりから生まれる商品

素材選びにも、地元へのやさしいまなざしが感じられます。
オーナーは、できる限り地元の食材を使うことを大切にしているそうで、その姿勢はメニュー開発にも自然と表れていました。
印象的だったのが、地元の高校の先生との会話をきっかけに生まれたという、「パセリのシフォン」。
使われているのは、店主のご家庭で採れたパセリです。身近な暮らしの中で育った食材が、そのままひとつのシフォンへと姿を変えています。
「orto(畑)」という店名のとおり、何気ない会話のひとことと、ご家庭で採れた素材がふっと結びつき、新しいメニューが生まれていく──そんな柔らかな循環こそ、このお店らしさだと感じました。

誰もが立ち寄りやすい、行き届いた空間
お店を訪れてまず驚いたのが、ベビーカーや車椅子でも気兼ねなく過ごせる空間づくりでした。
入口から店内まで段差がなく、通路も十分な幅。小上がりの席もあり、小さな子どもが横になることもできます。
さらに、多目的トイレやおむつ替え台も整えられており、子育て世代への細やかな配慮が随所に感じられます。

「席数を増やすと、どうしても通路が狭くなってしまうので、あえてこれぐらいに抑えています」とオーナー。
実際、近隣の福祉施設の利用者の方が、車椅子で来店予約をされることもあるそうです。
「車椅子で、スッと入って、スッと座っていただけるように」
その想いが、店内の設計のすみずみまで行き届いていました。
今回訪れた際も、子どもがぐずる場面がありましたが、まわりを気にせず過ごせる空気感がありがたく感じられました。

席のバリエーションも豊かで、テーブル席・小上がりに加えて、ゆったりくつろげるソファ席もあります。

なかでも人気なのが、このソファ席。
ご夫婦や、隣同士に座っておしゃべりしたい男子学生グループなど、「並んで座りたい」お客さまにとても好評なのだそうです。
たしかに、向かい合うのとはまた違う、肩を並べて静かに過ごせる距離感の心地よさがありました。
お土産にもうれしい、持ち帰りシフォン
店内でゆっくり過ごすだけでなく、持ち帰りメニューもしっかり充実しています。
ホールシフォンはもちろん、カットシフォンも1切れから購入可能。
米粉プレーン(220円)や米粉ココア(250円)など、気軽に選べるラインナップが並びます。
お会計の際にテイクアウト用の紙袋できれいに包んでもらえます。

うれしいのが、カットシフォンは冷凍保存ができて、解凍してそのまま食べられること。
日持ちを気にせず買えるので、ちょっとしたお土産にぴったりです。
「今日はちょっと多めに買って、家族に分けようかな」「実家に帰る前に寄っていこうかな」──そんな気軽さで立ち寄れるのも、このお店のいいところだなと感じました。
日常の中に、ちょっと優しい場所を

最後に、オーナーから読者へ、こんな言葉をいただきました。
「みなさんの日常の中に、特別な日でも、なんてことない日でも、ちょっと凹んでしまった日でも、立ち寄れる場所でありたいんです。お店で過ごす時間が、その人の生活にちょこっと寄り添う──そんな場所になれたら」
ふんわりとしたシフォンと、ゆっくり流れる時間。
桜並木を望む窓辺で、子どもと一緒にコーヒーとクリームソーダを飲むひととき。
そんな何気ないひとときが、とても愛おしく感じられるカフェでした。
「日常の中にこんな場所があったらいいのに」
そんな思いが、そのまま一軒のお店になったような場所です。
| 店舗名 | cafe ortoyo(カフェ オルトヨ) |
|---|---|
| 住所 |
佐賀県唐津市和多田本村8-70 |
| 営業時間 | 平日 12:00〜16:30 / 土日祝 12:00〜17:30(L.O. 30分前頃) |
| 定休日 | 火・水・木 |
| 電話番号 | 0955-58-7171 |
| 駐車場 | あり |
| 公式SNS |
公式Instagram:@cafe_ortoyo |
| 地図 |
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