8月25日、有田で「サラーム・シネマ Vol.1」と題した上映会が開催されます。
映画のタイトルは【ソニータ】。
サラーム?どこの映画?と思われた方もいらっしゃるでしょう。
本作はアフガニスタンとイランを舞台にしたドキュメンタリー映画です。
家族のために 結婚を強要される少女のストーリー。
魂のラッパーを描いたこの映画から感じ取れることが沢山あります。
第一回を飾るにふさわしい作品です。
この映画のこと、そして仕掛け人を紹介します。
目次
ラップ歌手を目指すアフガニスタン難民の少女のストーリー
Photo: 映画『ソニータ』オフィシャルサイトより
少女ソニータはイランの首都テヘランの子供保育施設に身を寄せる難民。
暮らしていたアフガニスタンは近年、ソ連の侵攻や 内戦もあり政情不安定な時期が続きました。
9.11のアメリカ同時多発テロ以降、アメリカを中心とした多国籍軍が進行し、アフガニスタン紛争が勃発。
政権による虐殺もはじまり、パスポートも滞在許可証もないまま逃げてきた難民の彼女は、イランで不法移民として暮らしています。
それでも少女は夢をみます。
スクラップブックに書いた夢は「有名なラッパー」になること。
しかし、日本では考えられないことですが、彼女が暮らすイランでは、女性が歌うことが禁止されているんです。
そして、彼女の夢を阻むもう一つの壁は家族によってもたらされます。
花嫁の値段は9000ドル
アフガニスタンに住む彼女の家族は 16歳になったソニータを、古くからの慣習に従い、見ず知らずの男性に嫁がせようとします。
花嫁の値段は9000ドル。
女性の権利が制限された国々はいまだ数多く残っている実情を痛感させられます。
夢をあきらめる気はないが、結婚をするつもりもない。
しかし、大切な家族との関係を失いたくはないー。
彼女はどうやったら夢をかなえることが出来るのか。
勝手に入れ替わる敵と味方 振り回されるのは民
Photo:映画.com より公式ポスターを引用
さて、話は変わりますが 私がアフガニスタンを初めて知ったのは、映画「ランボー3怒りのアフガン」が最初でした。
当時、アフガニスタンにはソ連軍が侵攻してきており、戦争状態。
ソ連軍の捕虜になってしまった米軍の大佐を救出すべく、ランボーがアフガンに乗り込む、というストーリーでした。
ソ連軍の最強師団が投入され、絶体絶命となったランボーを救ったのはアフガンの戦士たちムジャーヒディーン。
ランボーと彼らは共に馬にまたがり、ソ連軍に勇壮に立ち向かい勝利を収める。
しかし、時代が進むにつれ国際情勢は変わり、アメリカの仲間として戦ったこの戦士たちの中から、あのウサマ=ビン・ラディンら アルカイダが生まれ、そして2001年には同時多発テロが発生。
それ以降、アメリカを中心とした多国籍軍が アフガニスタンに侵攻することになります。
振り回されるのはいつの時代も民。
自らの命、家族を守るため、国外に逃げるほかない難民、不法移民が生まれました。
夢を追いかける、好きな人と結婚をする、そんな当たり前のような権利はおろか、生きることさえも簡単ではない悲しい現実が、いまも同じ地球の上に存在しています。
そのことを再確認させてくれる映画でもあります。
Photo:Getty Images
アフガニスタンもイランも、サッカーが好きな人なら ワールドカップ予選で対戦する馴染みの国の一つのはず。
日本も度々苦しめられてきました。
しかし、内情を知る人は少なかったのではないかと思います。
この映画を見ることで、いままで「遠くの世界のお話」だったものが、「あの人の国の話」と思えるようになります。
日本にある、私たちに当たり前のように備わっている色んな権利や平和といったものがどれほど貴重なもので、そして多くの人たちの血と汗によって生み出されてきたものかを感じることができる映画、ぜひご覧ください。
プレゼンターはイラン在住経験をもつ 上野さん
この上映会の仕掛け人はイラン在住経験を持つ上野さん。
現在は有田の地域おこし協力隊およびNPO法人「灯す屋」の一員として、有田の空き家問題に向き合いながら、街を魅力的にする施策を次から次へと生み出す、スーパーな人。
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有田町地域おこし協力隊 にゃんにゃんず
[イラン時代の上野さん(右から2番目)]
サラーム・シネマ の「サラーム」とは 平和を意味する言葉で、挨拶でも使われる日常の一言です。
映画館がない自治体がほとんどとなった今日。
日常の中に映画が戻ってくるように、今後、月に2回のペースで上映会を開催する予定とのこと。
上映会が長く続いていくように、その灯が消えないように応援よろしくお願いします。
サラーム・シネマ Vol.1 『ソニータ』上映会の詳細
日時 | 8月25日15:00~17:00 |
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場所 | kasane |
主催者 | 有田町地域おこし協力隊 |
料金 | 事前予約1,300円 当日1,500円 ドリンク付き |
定員 | 各回20名(ご予約優先) |
ご予約・お問い合わせ先 | 有田町地域おこし協力隊(上野) |
Tel/ E-mail | 0955-25-9230/info.aritakara@gmail.com ※希望日時、参加する方のお名前、代表者携帯番号をお知らせください |
駐車場 | kasaneの駐車スペースに限りがあるため、よろしければこちらもご利用ください。 報恩寺 〒844-0008 佐賀県西松浦郡有田町稗古場2丁目8−21 |
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