唐津の街中に古道具店があると聞き、普段は古道具よりも機能性重視の私ですが、店主の魅力に引き寄せられ足を運んできました。
お店の名前は「caesura(カエスラ)」。そこは不思議な雰囲気をもち、時間が止まったような、それでいてどこか新しい息吹を感じさせる場所を紹介します!
お店までの道のり

caesura(カエスラ)があるのは、唐津市内でありながら、人通りの少ない小道。唐津に長年住んでいる私も踏み入ったことのない場所でした。
店舗専用の駐車場はないため、近隣の有料駐車場に車を止め、ナビをもとにお店を探します。「ここかな?」とちょっと心配しつつ、看板もないお店をのぞきこむと、落ち着いた音楽が流れており、別の空間に迷い込んでしまったような不思議な感覚。
お店にたどり着くまでに迷う人が多いこの場所に、あえてお店を開いたのも店主三笠さんのこだわりです。caesuraに行くと決めなければ通ることのないだろう道を歩き、お店までの道のりも楽しんでほしい、そんな三笠さんの想いが込められています。

迷ったときには、お店のInstagramからDMを送ると、探しにきてくれるそうなのでご安心を。
唐津の空き家からcaesuraにたどり着いた道具たち

店内に並ぶ古道具の多くは、唐津の空き家から買い取りや引き取られたものだそうです。三笠さんは、空き家に眠る品々を「レスキュー」し、道具たちに新たな場所を提供しています。
「唐津の空き家から引き取らせていただたものは、時間が止まっているもの」
随分前に作られ、誰かの暮らしの中で使われてきたものたちが、時間を経てこのcaesuraという場所に置かれています。例えば、店に置かれている棚は元々薬問屋で使われていたもの、バーカウンターは洋服屋さんで使われていたもの。
「唐津の記憶の集合体みたいなのが、今ここを形成している」と三笠さん。一つひとつの古道具には、時間と物語が刻まれています。

古道具の後ろにあるストーリーを聴くと、目の前の古道具がより魅力的に見えてきます。
海外で出会った物たち

三笠さんは唐津だけでなく、海外にも買い付けに出かけられるそう。
以前はニュージーランド、フィジーで暮らしていて、いろんな地域の人達に出会い、「現地の人々の暮らしや価値観に出会える旅が好き」と語る三笠さんにとって古道具の買い付けは、古道具に出会えるし、好きな旅もできる、理想的な形となっています。
唐津の品々と一緒にフランスやイギリスなど、様々な国で出会った品々も並ぶなど、三笠さんが旅の中で出会い、惹かれたものたちには、唐津の品とはまた違った物語があります。
店名「caesura」の意味

店名のcaesuraは、三笠さんが好きだったシンガポールのアーティストの曲名からとられたそう。
caesura(カエスラ)とは、音楽や詩の中で使われる記号で、「耳で聞こえる休止の時間」という意味。「その記号がある場所だけは音がない」。つまり、耳で感じる静寂の時間。caesuraに足を踏み入れると落ち着くのは、体や意識が休止を感じているからなのかもしれません。
店のあらゆる場所にこだわりが反映されているcaesura。古道具一つひとつに「ストーリーがある」ように、店そのものにも三笠さんの物語が刻まれています。
お店のこれから
caesuraは、単なる古道具店に留まらず、さまざまな可能性を秘めた場所へと日々進化をしていくお店。行くたびに新たな発見があるかもしれません。

そして、2025年12月からは、店内で「深夜喫茶」をオープンさせたそうです。唐津になかった深夜も開いている喫茶店として、古道具に囲まれながら本を読むも良し、作業をするもよし、語らうもよしの場所。どんな場所になるかワクワクです。同時に「リペア」を通じたコミュニティづくりの準備も少しずつ進んでいます。
caesuraでは、「物を直す道具が揃っていて、物を直せるような場所」を提供し、自分で直すこともできるし、「近所に住んでいるおじいちゃん・おばあちゃんが昔やっていたこと」の知識や経験をシェアしてもらう。そんな、ものを直す行為を通して地域の人とつながる場所になるように準備中ということです!
さいごに

古道具は、その人の世代、性別、住んでいる場所、国籍など、一人ひとりの背景によって、同じものでも違って見える。そんな面白さを教えてくれるのがcaesura。
唐津の記憶を受け継ぎ、世界中から集めた品々が静かに並び、過去と現在、唐津と世界、人と物が交差する、休止と再生の場所。これからの進化に目が離せません。
営業情報やお店の進化の様子はInstagramより見ることができます。
| 店舗名 | caesura(カエスラ) |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県唐津市大石町2484−2 |
| 営業時間 | 公式Instagramから確認 |
| 定休日 | 不定休 |
| 駐車場 | 近隣の有料駐車場をご利用ください |
| 公式サイト | Instagram @caesura_antique |
| 地図 |
|
関連記事

ヨット「ぺんころ号」とともに旅する冒険作家とパティシエ夫婦 ―形にとらわれない生き方―

