昔ながらの商店街。車でそのまま通り過ぎていませんか?車を降りて歩いてみると、
思わず立ち止まりたくなる出会いがありました。
この連載では、5回にわたり佐賀県内の商店街で働く「人」にスポットライトを当てて紹介していきます。記念すべき1回目は伊万里です。
読み終わるころには、きっと「会いに行きたい!」と思うはず。
人に惹かれて、気づけばお気に入りの店が見つかる。そんな出会いが、あなたを待っています。
1.本岡金物店

金物店って一体なにが販売されているんだろう...?と思いながら店内に入ってみると、建築資材、釘、接着剤、ネジなどDIY好きにはたまらないアイテムがずらり。
案内してくれたのは、本岡金物店のご主人。高校卒業まで伊万里で育ち、大学進学を機に福岡へ。卒業後はそのまま銀行に就職し、5年間銀行員として働いていたそうです。
「30歳を過ぎて銀行を辞めて、伊万里に帰るのは正直迷いました」そう話しながらも「でも今は、家業を継いで有意義な毎日を過ごしています」と穏やかな表情で話してくださいました。

150年以上続く本岡金物店の6代目。重たい看板に見えますが、ご主人はいたって自然体。
「うちはとにかく品揃えが豊富で、ネットで探すより早く手に入ることも多いんですよ。DIYが好きな方には、ぜひ一度来てほしいですね」
そう語る通り、こちらの店舗は2階フロアに加え、屋外倉庫まで備えた広さを誇っています。そのため市内外から「〇〇って1つある?」と問い合わせの電話が入ることも日常的なのだそう。
対応する分野は製造業から工事現場までさまざまで、万が一在庫がなければすぐに取り寄せ対応をしているとのこと。豊富な品揃えと柔軟な対応力が多くの現場から頼られる理由だと感じました。
さらに、キャンプやアウトドアで使えそうなポータブルバッテリーまで並び、業務用から個人利用まで幅広く対応。ぜひ行ってみてください。

| 店舗名 | 有限会社本岡金物店 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町甲558(MAP) |
| 営業時間 | <月〜金> 7:00~19:00 <土・祝> 9:00〜17:00 |
| 定休日 | 日曜 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0955-22-6155 |
2.小林はんや

商店街を歩いていると、やたら日焼けしたパネルを店先に置いているお店を発見。「ここまで焼けてたら、もう文字読めないけど......作り替えないの?」思わずそんなツッコミを入れつつ、"これはきっとクセのある人がいるな"と見込んだ取材班は、思い切って扉を開けてみることに。

迎えてくれたのは予想とは裏腹に、笑顔がやたらと素敵なご主人小林さん。
話してみると、趣味は魚釣り。釣れても釣れなくても、とにかく釣りに行くのが好きだそうです。武雄出身で武雄には海がないぶん、海への憧れは人一倍。
そのせいか、カウンター横には水槽がひとつ。中では、やたら立派な魚が悠々と泳いでいます。
「これ、金魚ですか...?でかすぎません?」と聞くと、「私に似て、よく食べるけど金魚なんです」と教えてくれました。
さらに店内で目に入ったのが、奥に飾られた某人気有名人のカレンダーと、「伊万里市の観光大使はキンタローさんですが、当店は〇〇さんと親戚です」という、二度見必至の張り紙。
話を聞くと、小林さんのお祖母様と某人気有名人のお祖父様がきょうだいなのだとか。
そのご縁で、グッズをいただくこともあるそうです。
ちなみに、名刺は5年半前に作ったものを今も配布中。「作りすぎちゃってね」と笑いながら渡してくれました。

そんな小林さんですが、本業ははんこ職人。印鑑を彫るには国家資格が必要で、筆記と実技の両方に合格しなければならない、奥深い世界です。小林さんは「ものづくりマイスター」および印章彫刻一級技能士の資格を持ち、材質選びから彫刻まで、すべてを自ら手がける職人。かなりディープな世界に身を置く方です。
さらに、全国印章技術大競技会では金賞・特別賞をW受賞し、日本一の称号を持つ実力者。店内にずらりと並ぶ賞状の数にも、思わず納得してしまいます。
それほどの実績を持ちながらも、ご本人の言葉はあくまで控えめ。「自分で言うのもあれですけど、日本で一番腕がいいと思ってます」さらりと口にするその一言に、思わず脱帽してしまいました。

| 店舗名 | 小林はんや 伊万里店 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町甲484-2(MAP) |
| 営業時間 | <月〜金> 9:00〜19:00 <土〜日、祝> 9:00〜17:00 |
| 定休日 | 奇数日曜 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0955-22-2545 |
3.しのはらレコード店

365日着物を着て、店頭に立っているお母さんがいると聞いて行ってみたしのはらレコード店。噂通りお着物姿のお母さんが迎えてくれました。
なぜ毎日着物なんですか?と聞いてみると、「父も着物が好きで、母もずっと着物で過ごしていて、主人も"着物じゃないとダメ"という人だったんです。だから、着物が普通なんですよ」と、さらり。

この日は夕方からパーティーがあるそうで「あとで別の着物に着替えるんです」と、どこか嬉しそうに話してくださいました。

本当に毎日着物なんだ...と思いながら、洋服を着ることは全くないのか聞いてみると、「ゴルフの時は、可愛いウエアを着ますよ」とこっそり教えてくれました。スマホの写真を見せてもらうと、着物姿とはまた違う、チャーミングなお母さんが満面の笑みでゴルフを楽しんでいました。
そんなお母さんが立つのが、しのはらレコード店。今では珍しくなったレコード店ですが、店内にはキャンディーズやチェッカーズなど、思わず足を止めてしまう懐かしい名前がずらり。

「あのアイドルのレコード、もしかしたら見つかるかも?」宝探しのような気分で楽しめるお店です。ちなみに、長年音楽を見続けてきたお母さんの今のイチオシは、「原田波人くん」。年に1度、しのはらレコード店で歌を披露してくれるのだとか。
レコードを探しに行くというより、お母さんに会いに行きたくなる。そんな、あたたかいお店です。

| 店舗名 | 有限会社しのはらレコード店 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町甲536(MAP) |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 日曜 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0955-23-1235 |
4.忍者うどん

いい香りに誘われて入ってみた忍者うどん。店内には、著名人と並んで写るひときわ存在感のある男性の写真がチラホラ。
「誰だろう?」
そう思って聞いてみると、なんとこちらが忍者うどんの社長さん。演歌歌手のような迫力ある風貌ですが、実は伊万里で複数の飲食店を手がける敏腕経営者なのだそうです。

元アメリカ大統領とのツーショット写真まで飾られており、一体どんな交友関係なのか、気になって仕方ありません。
話を聞いてみると、とにかく人付き合いが広く、いろんな人から慕われている社長さん。
お店の名前「忍者うどん」の由来を聞くと、「13時にはこっちの店、15時には別の店。
あっちこっち飛び回ってたら、周りから"忍者みたいだね"って言われてね」
その一言で、店名が決まったのだそうです。
そんな社長さんが営んでいるのが、忍者うどん。伊万里市民の胃袋をがっちり掴んでいる人気店です。

名物は、店名を冠した「忍者うどん」。たまご、わかめ、海老天、お肉、梅干しなどが豪快にのった、思わず笑ってしまうほどのボリューム。
夜中3時まで営業、しかも定休日なし。飲んだあとのシメにも、ふらっと立ち寄れる頼もしさも魅力です。

| 店舗名 | 忍者うどん |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町甲413-9(MAP) |
| 営業時間 | 11:00〜3:00 |
| 定休日 | 12月31日,1月1日 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0955-22-6723 |
5.陶園 香月

観光で訪れる海外のお客様も多いという、陶園香月。そんな話を聞いて、ご主人である香月さんに英語はお得意ですか?と聞いてみると、「英語は苦手で、ほとんどボディランゲージです」と、笑いながら教えてくれました。
言葉は通じなくても、身振り手振りと笑顔でなんとかなるのだとか。そのあたりも、なんともご主人らしいところです。
この伊万里駅前通り商店街に長く店を構え、時代の移り変わりを肌で感じてきた香月さん。近年は観光で訪れる海外の方が、リッチな「伊万里焼」を購入されることも多いといいます。
伊万里焼と聞くと「高くて、なかなか手が出ない」というイメージを持つ方も多いですが、陶園香月には普段の食卓で気軽に使える価格帯の器もそろっています。

昔ながらの絵柄はもちろん、ねこや花をモチーフにした若手作家さんの作品も多く、思わず手に取りたくなるものばかり。
ショーケースに並ぶユニークな形の陶器の置物について触れると、「昔はこういうデザインが人気だったから、こんな形が生まれたんですよ」と、伊万里焼にまつわるマニアックなエピソードを教えてくれるのも印象的でした。器だけでなく、背景にある歴史や流行まで知れるのは専門店ならではの楽しみです。
海外のお客さんだけでなく、佐賀で暮らす私たちにとっても、「ちょうどいい一枚」が見つかりますよ。

| 店舗名 | 陶園 香月 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町甲413-15(MAP) |
| 営業時間 | 9:30〜20:30 |
| 定休日 | 1月1日 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0955-23-2069 |
6.TRAFFIC

伊万里のおしゃれ男子が集まる古着屋・TRAFFIC。店舗は2階にありますが、店内に入っても店員さんの姿が見当たりません。思わずきょろきょろしていると、レジカウンターに置かれたポップに目が留まります。
「御用のある方は、ベルを押してください」
実は1階はカフェになっており、現在はワンオペで営業中。基本的に店主は1階にいるため、2階の古着屋はこのスタイルなのだそうです。試着のときも、会計のときも、必要があればベルを押す。なんとも自由。
もともと古着が好きで、「1階のカフェを先にオープンして、上のフロアが空いてたので
じゃあ古着屋もやろうかなって」という、かなり自然な流れで始まったのがこちらのお店。

接客スタイルも、かなりゆるめで「お客さんに聞かれたらコーディネート組むこともありますけど、基本的にはあまり接客しないですね。自由に見てもらって、買いたい時にベル押してもらえたらいいかなって」
その言葉通り、店員さんに急かされることもなく、自分のペースでゆっくり服を選べるのがTRAFFICの魅力です。メンズ中心ですが、レディースの取り扱いも一部あり、古着好きにはたまらないラインナップ。
「接客されるのがちょっと苦手」「一人でじっくり選びたい」そんな人には、たぶんかなり居心地がいいお店。
ここでしか出会えない一着を、ベルを鳴らす前に、ぜひじっくり探してみてください。

| 店舗名 | TRAFFIC |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市新天町560‐2 錦ビル 2F(MAP) |
| 営業時間 | <月、水、木、日、祝> 11:30〜19:00 <金、土> 15:00〜19:00 |
| 定休日 | 火曜 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 公式Instagram | @traffic_1014 |
7.伊豫屋(いよや)

手作りの和雑貨や柿渋染作品の販売に加え、パッチワーク教室も行っている伊豫屋。1階ではパッチワーク教室が開かれており、地元の方々が集まって、それぞれのペースで作品作りを楽しまれていました。
その中心にいたのが、こちらのお母さん。なんと今年で80歳。肌艶がよくてお上品。とても80歳には見えません。
そんなお母さんが、今も現役でパッチワークを教えています。針の動きも手際よく、生徒さん一人ひとりに丁寧に声をかけながら、教室の雰囲気はとても穏やか。
さらに驚いたのがInstagram、Facebook、LINE、ブログまで使いこなし、自身の作品を日々発信していること。
「SNSは正直よくわからないけど、わからないなりにやってみると、勉強になるのよ」
そう笑いながら話す姿からは、年齢を感じさせない前向きさが伝わってきます。新しいことにもどんどん挑戦していく、その姿勢がとても素敵でした。

2階はギャラリーになっており、お母さんが手がけたパッチワークや柿渋染の作品がずらり。和雑貨の展示に加え、生徒さんの作品も並び、その数と完成度に思わず足を止めてしまいます。
お母さんが嫁いできた当初は、こだわりの家具を扱うお店だったそうで、今も店内にはアンティーク調の家具が並び、作品の雰囲気をより一層引き立てています。
ものづくりが好きな方、パッチワークを学んでみたい方はもちろん、お母さんに会いに行くだけでも、きっと元気をもらえるはず。

| 店舗名 | 伊豫屋 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町593(MAP) |
| 電話番号 | 0955-23-2317 |
8.Ume Pan

伊万里朝市協同組合内という、ちょっとユニークな場所にあるパン屋さん「Ume Pan」。
店内には、あんぱんや塩パン、チョコチップメロンパンなど、定番のパンがずらりと並びます。

一方で、「柚子胡椒とえび」「カプチーノとチョコ」「ラム酒入りクリームチーズ×ダークチョコ」など、思わず二度見してしまうような個性派パンも。定番と変わり種、どちらも楽しめるラインナップが魅力です。

なかでもおすすめは、抹茶とホワイトチョコのうめぱん。見た目はずっしりしていますが、ひと口食べると驚くほど軽やか。抹茶の風味がふわっと広がり、後を引く美味しさでした。
そのほかにも、カヌレやタルトなどの焼き菓子も充実。お客さまがひっきりなしに訪れるのも納得の、伊万里で人気のパン屋さんです。
ご予約は電話で受け付けているそうなので、気になる方はぜひ利用してみてください。

| 店舗名 | Ume Pan |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県伊万里市伊万里町乙178-9-1(MAP) |
| 営業時間 | 7:00~18:00(売切れ次第閉店) |
| 定休日 | 月曜、木曜 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0955-23-7956 |
| 公式Instagram | @umepan152 |
さいごに

今回の伊万里まち歩き特集はいかがでしたか?同じ伊万里でも、お店ごとに空気感や個性はさまざま。人に惹かれ思わず誰かに話したくなる、そんな魅力が詰まっていました。
1店舗だけで帰ってしまうのは、少しもったいないかもしれません。ぜひ気になるお店をいくつか巡りながら、伊万里のまちを楽しんでみてください。
きっと、あなただけのお気に入りが見つかるはずです。
今回ご紹介した「伊万里駅通商店街振興組合」と「伊万里商店連合会」は、佐賀県が物価高騰対策を目的とした、「佐賀県プレミアム付商品券・クーポン券発行支援事業」に参加しています。
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