昔ながらの商店街。車でそのまま通り過ぎていませんか?車を降りて歩いてみると、思わず立ち止まりたくなる出会いがありました。
この連載では、全5回にわたり佐賀県内の商店街で働く「人」にスポットライトを当てて紹介していきます。4回目は基山です。
読み終わるころには、きっと「会いに行きたい!」と思うはず。
人に惹かれて、気づけばお気に入りの店が見つかる。そんな出会いが、あなたを待っています。
1. 中願寺ギヤエム商会

基山の街を歩いていると、ふと目に飛び込んできた「ギヤエム商会」という見慣れない看板。なんだか気になる名前に惹かれて、思わず立ち寄ってみたのが、「中願寺ギヤエム商会」さんです。
店頭にはたくさんの自転車がずらりと並び、いかにもまちの自転車屋さんという佇まい。取材で訪れたとき、ご主人はちょうど自転車修理の真っ最中でしたが、手を止めてにこやかに迎えてくださいました。

実はこのお店、戦前から続く老舗。ご主人の祖父の代から、ずっとこの場所で暖簾を守り続けているそうです。
気になる「ギヤエム」という名前は、自転車メーカー『ミヤタ』の代理店であることを示す屋号。歯車(ギア)の中に"M"が入ったロゴマークがその由来なのだといいます。「今でも全国に、この屋号を大切にされているお店があるんですよ」と教えてくださいました。
お話を伺っている間に、手際よく修理が完了。仕上がった自転車に乗って笑顔で帰っていくお客さんを、ご主人が優しい眼差しで見送る姿がとても印象的でした。
いつ起こるか分からない自転車のトラブルに対し、長年の経験から的確に処置を施す姿は、まさに職人そのもの。
「どのような想いで店を継がれたのですか?」と尋ねてみると、 「使命感に燃えて......というよりは、ここで育つ中で、自然と『自分がこの店を守っていくんだろうな』という確かな感覚がずっと心にありましたね」と、少し照れくさそうに答えてくれました。
お店の入り口には、誰でも使えるようにと一台の空気入れが置かれています。
そっと外に置かれたその佇まいから、お店の歩んできた年月と、ご主人の誠実さが自然と伝わってくるようでした。

| 店舗名 | 中願寺ギヤエム商会 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県三養基郡基山町小倉532-7 (MAP) |
| 営業時間 | 9:00〜19:00 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0942-92-2927 |
2. 寺﨑畳店

次にやってきたのは、明治10年創業の老舗「寺﨑畳店」さん。
お話を伺ったのは、昭和53年に畳店を営むお家に嫁いできたお母さん。現在は息子さんが6代目としてお店を継ぎ、親子でお仕事をされています。
以前は朝から晩までご主人と畳の仕事に精を出していたお母さん。一度は別の仕事に就いた時期もありましたが、再び畳の世界へ戻ってきた今、かつてとは違う「楽しみ」を見つけています。

それが、畳のヘリを使った商品づくり。店内に並ぶのは、色とりどりのヘリで作ったバッグや、赤ちゃんの名前を入れた「命名畳」、畳素材のヨガマットなど、これまでのイメージを覆すものばかり。実は、お母さんの発想から生まれたものもあるのだそうです。
「ヘリで作ったバッグを持っていたら、『いいね!』って息子が言ってくれたのが商品化のきっかけでした。畳のヘリはとても丈夫で、デザインも豊富。使いやすさと見た目の楽しさを両立できるんですよ」
ヘリの世界に魅了されたお母さん......。おしゃれなヘリの数々を見せてくださいました。

「息子がね、若い人に畳の魅力を知ってもらうために、いろいろ頑張っているんです」
時代に合わせ、新しい畳のあり方を若い世代に提案したい。そんな想いから、さまざまな商品が生まれています。
「畳って、こんな使い方もできるんだ!」 そんな発見が詰まった寺﨑畳店。ふらりと覗いてみるだけで、新しい畳の世界に出会えるはずです。

| 店舗名 | 寺﨑畳店 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県三養基郡基山町宮浦160 (MAP) |
| 営業時間 | 10:00〜17:00 (月・水・金) ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 電話番号 | 0120-666-245 |
| 公式Instagram | @terasakitatami |
3. アイズ基山駅前整骨院

1軒目に取材した中願寺ギヤエム商会のご主人から、「駅前に面白い人がいるよ」と紹介していただき、やってきたのが「アイズ基山駅前整骨院」さん。
基山駅から徒歩0秒という、なんとも便利な場所にある、トレーニングジム併設の整骨院です。店内にお邪魔すると、まず目に飛び込んできたのはずらりと並ぶトレーニング器具。
さっそく「中願寺ギヤエム商会さんのご紹介で来ました」と伝えると、「あの人、そういうことすぐ言っちゃうから(笑)」と、院長の枡田さんは冗談を飛ばして笑います。このやりとりからも、基山らしいご近所付き合いのあたたかさが伝わってきます。
枡田院長は、穏やかな表情と話し方が印象的で、つい何でも相談したくなる雰囲気の方です。

お話をしている最中、入り口に置いてあった「脂肪の塊(模型)」が気になり、「これ、どれくらいの重さなんですか?」と声をかけてみると、「当ててみてください」と枡田さん。
この脂肪を落とすためには、約7,000キロカロリーの消費が必要なのだとか。
ただ走るだけで燃焼させようとすれば、ヘロヘロになりながら相当な距離を走らなければなりません。
「だからこそ、筋肉をつけて代謝を上げて、食事管理もしながら痩せやすい身体をつくることが大事なんです」そう話す枡田さんの言葉には、プロとしての説得力があります。
「私、背中のお肉をどうにかしたいんですよね...」
何気なくそう言った瞬間、枡田さんのトレーナー魂に火がつきました。

「やってみますか?」ということで、少しだけ体験させていただくことに。普段の優しい雰囲気とは裏腹に、締めるところはしっかり締める。無理はさせないけれど、確実に効かせる。その絶妙な指導バランスがとても印象的でした。

アイズ基山駅前整骨院は、整骨とトレーニングが一体となったちょっと珍しいスタイルの施設。「肩こりや腰痛で訪れる方が多いのですか?」と尋ねると、スポーツに励む方々の利用も多いといいます。
「長引くケガに、不安を抱えて来院される方も少なくありません。だからこそ、その方が前を向き、大好きな場所へ戻っていく姿を見られたときは、本当に嬉しいですね」
怪我のケアだけでなく「スポーツを続けるためにどうすべきか」を一緒に考えてくれる存在は、競技者にとって非常に心強いものです。サガン鳥栖の選手をはじめ、プロアスリートも通っているというのも納得の環境です。
身体のケアから運動サポートまで、ワンストップで受けられるのが最大の魅力。
身体のことで少しでも悩みがあるなら、ぜひ駅から徒歩0秒の扉を叩いてみてください。穏やかな笑顔の枡田院長が、あなたの「これから」をきっと一緒に考えてくれるはず。

| 店舗名 | アイズ基山駅前整骨院 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県三養基郡基山町大字小倉532 (MAP) |
| 営業時間 | <月・水・木・土曜> 10:00~21:00(最終受付20:00) <火・金曜> 10:00~22:00(最終受付21:00) ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 休診日 | 日曜、祝日 |
| 電話番号 | 0942-85-9787 |
4. レディース アミ

次にやってきたのは、きやまモール商店街。
このあたりにも素敵な人がいないかなと辺りを見渡していると、どこからか楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
誘われるように足を進め「レディース アミ」へ。そこは、可愛らしい看板犬がいるお店でした。
迎えてくれたのは、オーナーの奥さんである三重子さん【通称アミさん】です。
ちょうど常連さんとのおしゃべりタイムの真っ最中。その温かな輪の中に、私たち取材班も仲間入りさせてもらいました。

「オープンして14年になります。いつも常連さんが顔を出してくださって、時には畑で採れた大根を差し入れに持ってきてくれることもあるんですよ」
アミさんがそう話すと、隣から「今日はこのブルーのセーターに決めたわ!」と常連さんの明るい声。まるで親しい親戚の家に集まっているような、心地よい空気が流れています。
実は、アミさんは久留米のご出身。「最初は外から来た私でしたが、基山の皆さんは本当に温かくて。すぐにお茶や食事に誘ってくださって、あっという間に仲良くなれたんです」
アミさんの朗らかな人柄が、街の人々の優しさを引き出し、このお店を自然と人の輪が広がる場所になっていったことがわかります。

店内で印象的だったのが、お客さんとお茶を飲みながら話せるスペースがあること。ここでは、買い物だけでなく、世間話をしたり、近況を話したり。お客さんは人生の先輩が多く、アミさん自身もいろいろ学ばせてもらっているそうです。
「一人暮らしの方が、ゆっくりお話する場所になって欲しいなと思っています。ここでお客様同士が意気投合して、新しいお友達ができることもあるんですよ」
まさに、基山町民の憩いの場。

「"観るだけ、着るだけ、通るだけ"がモットーなんです。気楽に来てもらって、おしゃべりして、よかったら買ってもらうくらいでいいかなって。地域の人たちのおしゃべりの場としてもやっているので、気軽に来てほしいですね」そう話すアミさんのまわりには、今日も自然と人が集まってきます。
洋服を見に来たはずが、気づけばお茶を飲みながらおしゃべり。そんな時間の過ごし方も、このお店ならではの楽しみ方です。

| 店舗名 | レディース アミ |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県三養基郡基山町宮浦186-14 (MAP) |
| 営業時間 | 10:00〜18:00 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 定休日 | 日曜 |
| 電話番号 | 0942-85-9986 |
5. 園部製茶

最後に訪れたのは、「園部製茶」さん。実は、基山でお茶が作られているってご存じでしたか?
40年ほど前から、ここ基山の地でお茶の栽培から販売までを行っている園部製茶さん。こちらでは、ご主人のお兄様が基山にある茶畑で栽培された茶葉を、家族のチームワークで加工・販売まで一貫して手がけています。
店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、ずらりと並んだお茶の数々。
基山産茶葉はもちろん、お祝い事にも喜ばれる「金粉入り」や、香り高い「ほうじ茶」、さらには体温まる「ショウガほうじ茶」など、そのバリエーションの豊かさに「お茶の世界ってこんなに広いの?」と驚かされます。

そんなお茶尽くしの店内ですが、ひとつだけ気になるものがありました。それが、入り口に並んでいた椎茸。
「お茶屋さんなのに、どうして椎茸があるのですか?」そう聞いてみると、ご主人が理由を教えてくれました。
「実はお茶と椎茸(乾物)は、保存に適した環境が全く同じなんです。どちらも湿気を嫌い、徹底した低温管理が不可欠。最高の品質を保つために、同じ専用倉庫で大切に守ることができるんですよ。それに、美味しいお茶を嗜まれる方は、お料理の素材にもこだわられる方が多いですからね」
品質管理と、お客様の暮らしに寄り添う視点に思わず納得。

最近では、20代・30代の方は手軽なティーバッグを、ご年配の方はじっくりと茶葉の個性を吟味されるなど、楽しみ方も多様化しているそう。
「どれを選んだらいいか迷ってしまう」という時こそ、園部製茶さんの出番です。スーパーの棚では出会えないような珍しいお茶の中から、あなたの好みにぴったりの一杯を提案してくれます。
美味しいお茶を飲みたいなと思ったら、基山の風土が育んだ美味しいお茶はいかがでしょう。園部製茶さんでお気に入りの一杯を見つけてみてください。

| 店舗名 | 園部製茶 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県三養基郡基山町大字宮浦186-28 (MAP) |
| 営業時間 | <平日> 10:00〜19:00 <土曜・祝日> 10:00〜18:30 ※営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
| 定休日 | 日曜(祝日は営業) |
| 電話番号 | 0942-92-2125 |
さいごに

今回の基山のまち歩き特集はいかがでしたか? 自転車屋さん、畳屋さん、整骨院さん、そしてお茶屋さん。 お店ごとに漂う空気感や個性が異なり、ここにしかない人とのやり取りが、貴重な時間を生み出していました。
商品を購入するという目的だけでなく、「その人に会いに行く」という視点を持って歩んでみると、基山町はこれまで以上に奥行きのある、豊かな表情を見せてくれるかもしれません。
今回ご紹介いたしました「基山町商工会」は、佐賀県による物価高騰対策の一環である「佐賀県プレミアム付商品券・クーポン券発行支援事業」に参加しています。
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