夏ならではの圧巻の景色!"しあわせ風鈴"が包む 鹿島市の「祐徳稲荷神社」

夏ならではの圧巻の景色!"しあわせ風鈴"が包む 鹿島市の「祐徳稲荷神社」

夏の景色といえば、皆さんはどんなものを思い浮かべますか?青々とした空、蝉や風鈴の音、鮮やかに茂る木々、涼しげな水の音...今回は、そのどれもが散りばめられたおすすめスポット、鹿島市にある「祐徳稲荷神社」をご紹介したいと思います!

日本三大稲荷の1つで、その迫力と歴史は既に広く認知されていますが、今回はとっておきの"夏の顔"に注目。景色を堪能するとともに、願いを込めた短冊を下げた"しあわせ風鈴"も奉納してきました。

年間300万人が訪れる佐賀の名所

鹿島バイパスから県道282号に入り、参道側と別の道をまっすぐ。祐徳博物館の隣にある外苑駐車場に駐車しました。外苑駐車場のみ有料で30分以降は一律300円となりますが、入口のすぐ近くに停められます。
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浜川に架かる大きな橋を渡る先には、岩盤にそびえ立つ立派な本殿。

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その迫力、美しさは"九州の日光東照宮(鎮西日光)"と呼ばれているほか、高地、低地に位置するバランスのとれた配置は、華道における美の定義にも適っているのだとか。なるほど、奥が深い...。

本殿までの階段の登り下りが難しい方はエレベーターもあります。四季を映すガラス張りが綺麗。

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手水舎で清めたあとに子どもが必ず足を止めるのが、まるまるとした鯉が悠々と、時に激しく泳ぐ池の前。楼門の下で鯉の餌(1袋50円)が売られています。

餌を落とすと、身を寄せ合いぶつけ合い、競う姿がなんとも逞しい。あとから聞いたところ、なんとこの中にチョウザメも混ざっているそうで...!
水底にいる生物を食べるので、下の方にいるのかと。目を凝らしても見つけられませんでしたが、思わぬ存在にわくわく。

夏季限定、本殿下で揺れる3,000個の風鈴

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「ちりん、ちりん、りん...」

楼門をくぐる前から耳をくすぐっていた美しい音。1つ1つは儚いのですが、一斉に揺れることでコーラスのような壮大な音色に。この光景を前にすると、やはり一度立ち止まり見入ってしまいます。

風にのって流れる清らかな音と、揺れる美しい風鈴。これぞ祐徳稲荷神社の夏の風物詩、「しあわせ風鈴の頒布」です。

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6年前、コロナ禍をきっかけに始まった風鈴の頒布。

外出すら思うようにできなかった苦しい時期、神社では自粛モードを強いられながらも、「コロナに日常を脅かされながら過ごす人や、日本を支えてくれる医療関係の方々にとって、"心の医療事業者"となりたい」と考え、人々を癒やし、元気づけられるような企画を提案。

それがこの風鈴の頒布でした。

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6年目を迎える今年は、6月1日からスタート。

毎年この時期から10月末頃までの期間に見られる光景は夏ならでは。初年から年を追うごとに風鈴の数が増え、現在は3,000個ほどになりました。

そして参拝者はこの光景を眺め、楽しむ...だけでなく、参加することもできるんです!

願いを短冊に。風鈴の柄は6種類

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お札・お守りの窓口や、下り参道横の熊手・御神矢・絵馬の窓口にある6種類の風鈴。

実際に本殿までの階段に飾られているもので、購入して短冊の部分に願い事を書き、奉納することができます。柄は、縁結びとして馴染みのキツネや金魚、ハートなど。お好きな柄をお選びください。

筆者は子どもと2種類を選択。持ち帰りもできるとのことで、1つは自宅用に購入しました。神社にまつわるものをモチーフに、可愛らしくポップに描かれた柄は、全て巫女さんがデザインされています。

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「空いている場所にお掛けください」とのことで、階段上の風鈴を見上げながら探すと...あった!奉納する風鈴は、もみじ柄にしました。

落とさないように気を付けて...風に揺れて初めての音色を奏でる姿を目の前で拝めました。家族の健康と平和を願って。

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風鈴のトンネルをくぐりながら本殿へ。本殿の横にもお守りや風鈴の授与所があります。

岩壁を背にそびえ立つ「懸造(かけづくり)」という建築様式で、下から見上げる姿はもちろん、正面から見ても高貴で圧倒されます。

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本殿の高さから見る下の景色もまた良いのですが...ここまで来ると、さらに上からの景色を見たくなりませんか?

奥の院へ!神聖なるプチ森林浴

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ということで、約300m上ったところにある奥の院を目指します!

宮司さんは、風鈴はもちろん、奥の院から見渡す景色もイチ押しとのこと。

特に夏は緑と青のコントラストが綺麗で、木々が日差しから守ってくれるので、プチ森林浴がてら散策できます。
スタート地点には木の杖が置いてあるので、必要な方はどうぞ。

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ずらりと連なる鳥居を抜け、ときどき出会う祠の姿を拝みつつ、木々に覆われた階段を上ります。

道は全て整備されていて、スロープや石の階段は上りやすく、だいだい行きは20~25分で到着しました。3歳、5歳の子どもたちも自力でスムーズに。未就園児のお子さんには少しハードかも。

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この奥にあるのが、昨秋、奥の院に新設された「授与所・休憩所」です。船のデッキをイメージしたという、悠々とした造り。

ここではお守りや記念品などの授与のほか、ドリンクの提供やテーブル席もあります。

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出店していた「夏秋冷菓」のアイスクリンで乾杯!そしてクールダウン。涼しくて見晴らしの良い休憩所は、疲れた体を癒やしつつ、達成感も味わえるパワースポットのような存在。

「ここまでよく頑張りました」と歓迎されているような気持ちになりました。

インバウンドも好調、訪れたくなる神社でありたい

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「参拝、散策して神社を楽しむ...そしてここ、奥の院では「神社で過ごす」をコンセプトとして掲げ、サードプレイス(第3の居場所)としてありたい、と考えています」とお話してくれたのは、宮司の鍋島さん。

神社としての伝統と歴史を重んじつつ、イベントや設備の充実など、新しい風を吹き込んできました。

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コロナ禍に始まった、しあわせ風鈴。神社の絵馬に見立てた短冊の内容は、その時代の流れを写していると言えます。

「当初は感染の収束を願うものや当たり前だった日常を取り戻したいという思いが書かれていましたが、この6年の中で状況は変わっていき、次第に前向きな個人の願いで溢れるようになりました」と振り返ります。

そのほか2021年には観光再始動事業に積極的に参画し、夜に開催される婚礼の儀「狐の嫁入り」を実施して反響を得るなど、常にヒトの心に響く動きを見せています。
今年も9月20日から、3度目の開催予定。来場者も、昼とはまた違った幻想的な空間を回遊できますよ♪

最後に...

「祐徳稲荷神社はメルヘンとは異なる、"ロマン"を味わう場所」とお話されていたのも印象的でした。

神秘的だけれど現実の中にあって...それぞれの理想や願い、志を持って訪れる場所。信仰への深さにこだわらず、「夏の景色を目に焼き付けたい」など、各々が持つ思いを胸にして訪れてほしい場所だなぁと思います。

目と耳で楽しむ夏の風物詩、今年もしっかり味わうことができました。

施設名 祐徳稲荷神社
住所 佐賀県鹿島市古枝乙1855
参拝時間 24時間
駐車場 無料
(外苑駐車場)24時間:300円
電話番号 0954-62-2151
公式サイト https://www.yutokusan.jp/
公式SNS Instagram:@yutokuinari.shrine
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フリーライター

しろいリンゴ

結婚と同時に、生まれ育った福岡市から佐賀市に移住。男児2人の母。記者として勤務した経験と、自宅保育の中で子どもたちと楽しく過ごす日...

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