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【JR鳥栖駅】新しさと懐かしさが入り混じる、"鉄道の駅"|佐賀のつーつらto佐賀①

2022年9月23日。西九州新幹線が開業し、より早く、佐賀から長崎の旅が身近になります。

お友達や知り合いから「これを機会に佐賀旅行してみようかなあ」なんてご相談受けていませんか? でも、奥ゆかしい佐賀人はついついこの言葉が出ちゃうんですよね。

「佐賀はなんもないよ(なんにもない)」

あれ?あれ?ちょーっと待って!「佐賀はなんでんある(なんでもある)」んです。

あまりにも身近だから、当たり前になっている佐賀を一緒に旅して知っていきませんか?

多くの人を見送り、迎えた"鉄道の町" 鳥栖

まずはJR鳥栖駅からスタートです。

鳥の栖(すみか)と書いて鳥栖(とす)。自然豊かで、昔も今も鳥が沢山の鳥栖市は九州の陸路交通の要の顔も持っています。

鳥栖駅の歴史130年あまり。多くのヒトやモノを運び、明治・大正・昭和と長く九州の産業発展の要となっていました。全盛期には機関車62両、職員数約5,200人以上、当時の国鉄から「鉄道の駅」の認定をいただいたそうです。

その歴史ある鳥栖駅に降り立つと、どこからかアンティークな昭和の雰囲気が感じられます。見渡すと......、 あ、ホームの柱が古いレールを利用していることに気が付きました。

明治時代に製造されていたイギリスやドイツのレールが再利用されているそうです。

初めて降り立った人でも、どこか懐かしい気持になりますよね。

小腹を満たす鳥栖の味 中央軒のかしわうどん

駅には今や伝説となった中央軒の立ち食い「かしわうどん」。小腹がへった帰路途中の学生さんも、遅い昼食のサラリーマンも、旅行の特急電車待ちの家族も気軽に立ち寄ります。お味は、しっかりした風味の良いお出汁に癖になるカシワのお肉。

店の前を通ると、うどんのお出汁の香りがふわあっと香って、モデルのハルカさんも「うどん食べたい!」と視線はホームのうどん店に釘付けでした。

詳しくはこちら

スタジアムを臨むホーム

ホームからはJリーグに加盟するプロサッカークラブ『サガン鳥栖』のホームスタジアム『駅前不動産スタジアム』が見えます。

空色に近いブルーとピンクの2色のチームカラーにきれいに塗られたスタジアム。リーグ開催中には、地元鳥栖高校書道部が制作した横断幕もホーム通路に掲げられます。

電車の待ち時間、ぼんやりと眺めるスタジアムと古いレールの柱のホーム。

まるで過去と未来を繋ぐ"今"という駅のような不思議な空気に包まれます。

3面6線のホームには、ひっきりなしに電車が往来しています。

レアな列車から、地元の通勤通学の足となる列車が停まる鳥栖駅。この「特急かもめ」も、「リレーかもめ」や「かささぎ」へと生まれ変わりましたね。

どの列車もモダンだったり、可愛かったり、レトロだったり。

ハルカさんもちょっと興奮気味。記念撮影は電車の運行や乗客のご迷惑にならないよう、安全とルールを守ってくださいね。

歴史を繋ぐ線路下のギャラリー

鳥栖駅では130周年記念として東側地下通路にて『鳥栖駅130年の歴史展』を開催しています。

展示されているのは27枚の当時の貴重な写真や資料で、130年の駅の歴史をたどることができます。

1945年(昭和20年)8月11日 に 鳥栖空襲で駅構内にも爆弾多数投下され被災。駅舎は焼失を免れましたが、職員も多数の犠牲者が出たそうです。

ハルカさんは鳥栖市出身。鳥栖駅の歴史について今回初めて知り、全盛期の風景を感慨深く眺めていました。

この駅を鉄道の町として支え、誇りに思う多くの職員の方々のたゆまぬ努力で、今も鳥栖駅は地元の人達にも、利用者の方々にも愛されています。

イベント名

鳥栖駅開業130年記念
線路下のギャラリー「鳥栖駅130年の歴史展」

日程 随時展示
場所 JR鳥栖駅内 東側地下通路 ※駅内入場料が必要です
問合せ

鳥栖観光コンベンション協会
【TEL】0942-83-8415

JR鳥栖駅の周辺を散策

JR鳥栖駅周辺には、大型のショッピングモール、サガン鳥栖のフラッグがずらりと並ぶ『鳥栖本通筋商店街』、昭和の"レトロがすぎる"『中央市場商店街』などがあります。

こちらは、晴れの日の鳥栖本通筋商店街。

これから涼しくなってくる季節。散策にもぴったりです。少し歩いてみましょう。鳥栖の商店街はレトロ可愛くって、とてもフォトジェニックですよ。

ハルカさんが食べているアイスキャンデーは『八起キャンデー』。

その手作りのキャンデーは割りばし状棒が斜めに差し込んであり、あずきやミルク、チョコ、コーヒー、抹茶味など20種類以上の味が楽しめます。お土産用に沢山購入すると保冷剤代わりに新聞紙をくるりと巻いてくださいます。なんともレトロ可愛いです。ハルカさんが食べているキャンデーはきなこ味です。

詳しくはこちら

「鉄道の町」のジオラマにワクワク!

アイスキャンデーを舐めながら、本通筋商店街を歩き、大正町へのスクランブルを曲がると左手の『旧佐賀屋ビル』の3Fに『鉄道専門カフェ 門トス』があります。

「鉄道カフェって?どんなところなんだろう?」と、かなり緊張しながら入ってみました。

店中は手前のカフェスペース、鉄道にまつわる資料や小物の展示。奥の広ーいスペースには巨大な街と線路、道路のジオラマ。

そして列車が走っています!

店長の田中伍夫(いつお)さんは元通訳。地元鳥栖で蒸気機関車を見て育ったそうです。大好きな鉄道の町を模型として残し、鉄道ファンや電車が大好きな子どもたちに楽しんでもらいたくて、この『鉄道専門カフェ 門トス』をオープンさせたそうです。

私が訪れた時は小さな男の子とお母さんがいらっしゃいました。

くるくると回る蒸気機関車や電車に、男の子は歓声をあげ、田中さんが笑顔で何度も列車を動かしてあげているのが印象的でした。

お母さんにインタビューしたところ「電車好きな夫がこのカフェを見つけて、今日でもう6回目の来店です。太宰府から来ています」との事。

門トスには大人鉄道ファンや、昔の国鉄職員も足繫くやって来るそうです。マスコミにも何度も取り上げられたそうで、鳥栖に30年以上住んでいるakikoもまだまだ知らない鳥栖の魅力に驚かされました。

店舗名 鉄道専門カフェ 門トス
住所 鳥栖市大正町784-7-3F
公式サイト http://montosu.sakura.ne.jp/
詳細

【OPEN】
平日...15:30~21:00
土・日・祝...10:30~21:00

【CLOSE】火曜日

【TEL】0942-80-2332

【席数】8席

【駐車場】2台

地図

線路をまたぐ『虹の橋』と日本で2つだけの蒸気機関車

鳥栖駅へ戻り、出入口右側には線路をまたぐ『虹の橋』があります。

『虹の橋』からは鳥栖駅が一望でき、鉄道ファンにも、ただぼーっと、日がな一日電車を眺めて見たい人にもおすすめ。

夕方には美しい夕陽に照らされる鳥栖駅を見ることもできます。

『虹の橋』を渡って『駅前不動産スタジアム』方面へ歩くと『国鉄268号蒸気機関車』が展示されています。

平成17年まで鳥栖市役所前に設置されていた、この蒸気機関車。今は古巣の鳥栖駅隣で、静かに余生を送っています。

268号機関車は鳥栖市重要文化財(歴史資料)に指定されています。この形式の機関車は鳥栖と京都鉄道博物館の2両しか現存しない、大変貴重な近代産業遺産だそうです。(鳥栖市教育委員会)

近寄ってみると思ったより小さくて、真っ黒。丸みを帯びたフォルムがかわいらしさと歴史を感じさせます。「こんなに小さいのに頑張ったんだなあ」っと、改めてその馬力に驚きと感謝の気持ちがわきました。

そんな268号機関車を題材にした絵本があるそうです。タイトルは『ちびすけふろやんとまっくろスズメ』。

作者は鳥栖市内で美容室を経営する松枝 善晴さんと妻の加代子さん。 「鉄道の街として歩んできた歴史を子供たちに知ってほしいし、市民の誇りとして伝えていきたい」とのこと。

実際の絵本を読んでみると、とてもかわいらしいイラストレーションに、ドキドキワクワクするストーリー。これは子どもたちも夢中に、大人もこの268号機関車にはこんな歴史があったんだ!と感慨深くなります。

akikoも絵本読みました。そしてこの268号機関車を見上げてみると、愛おしさと、長年の奮闘に「おつかれさま!」と優しく声をかけたくなる気持ちになりました。

268号機関車の前で絵本『ちびすけふろやんとまっくろスズメ』の記念撮影。パシャ

絵本「ちびすけふろやんとまっくろスズメ」の購入はこちらから

最後に

いかがでしたか? 鉄道の町『JR鳥栖駅』とその周辺。

佐賀旅は始まったばかりです。佐賀弁で「つーつらつーっと(行く)」とは「すいすい行く」っていう意味。

akikoと一緒にweb佐賀再発見の旅へ「つーつらつーっと佐賀へ」行きませんか?そして、気に入ったら今度はリアルの佐賀旅へ......!人が少ないので(笑)すいすい行けちゃいますよ。そして人が少ないので、エモい映える写真撮りやすいです。


【取材協力】
JR鳥栖駅 ※駅内の写真撮影はJR九州様の許可をいただいています。
鉄道専門カフェ 門トス 田中 伍夫 様
絵本『ちびすけふろやんとまっくろスズメ』
  作:まつえだ かよこ 様
  絵:おぎはら のりこ 様

フォトグラファー デザイナー

akiko

鳥栖市在住30年余り。 「なんでんない」(なんにもない)と言われる佐賀県は、実は「なんでんある」ということを、佐賀県の人はもとより...

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