嬉野には茶畑でお茶を愉しめる場所がある?!「茶空間体験」で贅沢な時間を。

嬉野には茶畑でお茶を愉しめる場所がある?!「茶空間体験」で贅沢な時間を。

嬉野の伝統産業「うれしの茶」

お茶の産地嬉野。

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うれしの茶の歴史はとても古く、永享12(1440)年、平戸に渡来した唐人が不動山皿屋谷に移住し陶器を焼く傍ら、自家用に栽培したのが始まりと言われています。

500年以上昔から、嬉野ではお茶が作られていたんですね!

この場所で私は、茶業に携わる方々の写真を撮っています。

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5月は一番茶(新茶)、6月に二番茶のシーズンが訪れると茶農家のみなさんは朝早くから茶畑に出て、夜遅くまで工場で作業をする日が続きます。

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一年一年、うれしの茶の歴史は刻まれていきます。

ureshinochabana1.jpgそんな嬉野で今、「茶畑」に変化が起きているんです!

茶畑に茶室?! 茶畑でお茶会?!!

●「天茶台」副島園

●「吉田茶室」副千製陶所

●「杜の茶室」永尾豊裕園

●「茶塔」池田農園

天茶台(てんちゃだい)

始まりは2017年3月、うれしの茶農家・副島園の茶畑に誕生した「天茶台」

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これを仕掛けたのは嬉野の産業を担う若手を中心に結成した有志団体嬉野茶時(うれしのちゃどき)」。私もこのメンバーの一人であります!
茶畑で「お茶会」って......どんな雰囲気なの?と思われますよね。
過去開催されたイベントの様子をもとに説明いたします!

まずは2017年5月に天茶台で開催された嬉野茶時の「新茶会」をご紹介。

新茶会とはできたばかりの新茶を味わっていただきたいと毎年5月に開催しているイベントです。

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見たことがない景色にゲストから歓声が!「茶畑には来たことがない」という方がほとんどでした。

お茶は、7名の茶農家の一番茶をブレンドしたものを「温茶」「冷茶」などで提供。

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丸い器には見た目も美しい練り切り

ゲストを楽しませたい、という思いで毎回演出にもこだわっています。

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鳥のさえずりを聞き、頬に風を感じながら......

普段、いろいろな生活音に囲まれながら過ごしている人には、この場所でのひとときが特別な時間に感じられるはず!

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吉田茶室(よしだちゃしつ)

2018年1月には肥前吉田焼の窯元「副千製陶所」の敷地内に「吉田茶室」が誕生しました。

誕生を記念して、1日間限定で吉田茶室での茶会が開かれました。

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茶会で使われた器は副千製陶所、提供されたお菓子は嬉野町にある菓子店「うれし庵」のショコラです。

副千製陶所といえば「水玉」の茶器が有名。ここで実際に見てみると長く愛される理由がわかるはず。

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ureshinochabana21.jpg吉田茶室内には副千製陶所の商品も展示されています。副千製陶所は指輪やストラップなどアクセサリー類も作っており、新しい磁器のスタイルにも挑戦されています。

この吉田茶室は常時営業しているというわけではなく、イベントなど特別な時に開放されています。

同じ日には肥前吉田焼の6軒の窯元内で「えくぼとほくろ」コーナーが誕生しました!「えくぼとほくろ」についてはこちら↓↓をご覧ください。

【えくぼとほくろ】肥前吉田焼ショップ、6軒同時オープン!財布にも環境にも優しい! 前編 / 後編

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杜の茶室(もりのちゃしつ)

2018年4月には永尾豊裕園の茶畑に「杜の茶室」が誕生。
木々に囲まれていてとても神聖な雰囲気です。

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2018年5月に開催された嬉野茶時の「新茶会」の様子です。

ureshinochabana14.jpg午前の部はあいにくの天気のため和多屋別荘の一室で開催。
午後の部は天候が回復し、杜の茶室で開催されました。

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お茶は「生新茶」、杜の茶室がある茶畑で育った茶葉から作った「杜の茶」(釜炒り茶)など。

生新茶とは「荒茶(あらちゃ)」のこと。お茶はまず「荒茶」にして、ブレンド・火入れをして出来上がります。「荒茶」は商品になる手前のお茶。一般の家庭に届く機会は少ないので貴重な体験ともいえます!

お菓子はうれし庵「チョコ水羊羹」、嬉野町の菓子店 スピカパティスリー「おこし」
2品ともこのイベントのために特別に作ってもらったものです。

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嬉野茶時ではゲストの目の前でお茶を淹れる「セレモニー」という所作があります。

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特別な流派などはなく、お茶の淹れ方を丁寧に分かりやすく伝えられるように考えられたものです。

例えば、お湯の温度。「煎茶」「釜炒り茶」「紅茶」など種類によって淹れるお湯の温度が違うんです!セレモニーを行いながら「お茶をおいしく淹れるコツ」をゲストに伝えています。

「体験して終わり」ではなく自宅に帰ってからもお茶を愉しんでもらえるようにという茶時メンバーの想いから。

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2018年の新茶会の最後に「杜の茶室」の持ち主である永尾裕也さんがお茶を淹れました

茶葉は「杜の茶」。杜の茶室がある茶畑で育ったもの。

茶葉を育てた人がお茶を淹れ、茶葉が育った場所でお茶を味わう。

お茶の産地嬉野だからこそできる取り組みです。

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茶塔(ちゃとう)

そして2019年4月。「茶塔」が誕生しました!

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場所は陣野(じんの)にある池田農園の茶畑

ここ陣野は景観がすごくいい場所として有名なんです!

見渡す限り茶畑。遠くには大村湾が見えます。

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この茶塔での新茶会は2019年5月25日に開催されました。

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ureshinochabana27.jpg一茶目は「生新茶」。2018年と同様の「荒茶」です。

茶杯は嬉野茶時と224porcelainの共同開発で作られたもの。

ureshinochabana28.jpg二茶目は7名の茶農家の一番茶をブレンドした「冷茶」。

お菓子は「嬉野茶マカロン」

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写真では3種ですが2019年6月現在で味は「煎茶」「釜炒り茶」「玄米茶」「柚子茶」「ほうじ茶」の5種類和多屋別荘でイートインのみでの提供中です(2019年6月現在)。

ureshinochabana31.jpg三茶目は池田農園・池田泰明さんが淹れる「茶塔茶」(釜炒り茶)。

茶塔が建つ茶畑で収穫されたお茶です。

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湯のみは224porcelain。

写真左の器は嬉野茶時が2018年8月に開催したイベント「嬉野晩餐会」のために作られた「喜雨(よろこびあめ)」。副千製陶所・副島謙一さんと谷鳳窯・宮崎泰裕さんの共同制作です。

煎餅はスピカパティスリーに特別に作っていただいたもの。池田さんはお米も作られていて、その米粉を使った煎餅です。

ureshinochabana33.jpg最後にサプライズ!

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ureshinochabana35.jpg実はこのお茶は商品として販売されてません。旨味が強く濃厚であるので少量提供されました。

嬉野を訪れる人が茶畑でお茶を愉しめる空間を

嬉野茶時ではこの茶空間体験ができる場所を増やす活動を「茶花プロジェクト」と名付けています。

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嬉野の茶畑には毎年10月から11月にかけて
真っ白な茶の花が咲きます。

下向きに咲く花は決して華美ではないものの、
これから越冬を迎え、
来春に新芽を生む親葉へのはなむけの演出。

茶畑に咲くその無数の白い茶の花のように、
嬉野を包む山々の茶畑に
「茶を愉しむ空間(茶花)」を無数に点在させ、
嬉野の地を訪れる人々の
心と身体を癒す空間を創造するプロジェクト。

「嬉野茶時」ホームページより

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茶葉が育った空気、土地、光や音を感じながら生産者が淹れてくれたお茶をいただく。一度体験してみると、すごく贅沢な時間だと感じます!

現在は嬉野茶時のメンバーの茶畑に作られていますが、今後はメンバー以外の茶畑、嬉野市内のさまざまな場所での展開を目指しています。

茶空間体験ができる場所や料金について

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料金 1名 10,000円(お茶・お菓子つき)

完全予約制です(ご予約は2名以上から)。

※ご予約は1週間前までにお願いします。ただし都合により、お断りする場合がありますのでご了承ください。
※場所は4か所のなかから1か所をお選びください。
※メンテナンス等の諸事情でご希望に添えない場合があります。
※野外茶室は雨天時、吉田茶室もしくは旅館内のティーカウンターでの開催となります。
※お茶やお菓子など内容は記事で紹介したものと異なる場合があります。

●副島園「天茶台」
●副千製陶所「吉田茶室」
●永尾豊裕園「杜の茶室」
●池田農園「茶塔」

詳細・お問合せはTea Tourism ホームページの「Tea Experience 茶空間体験」のページをご覧ください!

なお、ご紹介している場所はすべて私有地です。茶畑は生産者が1年をかけて計画的に茶葉を育てています。無断での立ち入りはご遠慮ください。なお、茶室は履物を脱いでお上がりいただいています。

過去のイベントの様子は嬉野茶時Facebook嬉野茶時ホームページに掲載しています。

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ローカルフォトグラファー

松本 聡子

1984年 鹿島市出身、嬉野市在住。図書館司書、CATV、嬉野市の情報発信業務を経て「ローカルフォトグラファー」の活動を志す。主な...

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